agreeable 第57号(令和3年1月号)
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はじめに義父の会社へ駆除工事の日々(防除技術の習得へ) 11月初旬に山口県協会会長の奥田英樹広報委員(日本しろあり対策協会)より本コラムへの寄稿依頼がありました。 『先人に学ぶ』をテーマに、仕事への工夫や経験、問題の解決の仕方や苦労話など若い技術者に伝えたいことなどを書いてほしいとのこと。私は、スピーチや文章を書くなどの表現力はさっぱりだめで、普通に書ける自信は全くありませんが、しろあり対策協会の発展の為に日々奔走されておられます広報委員の依頼をお断りする訳にはいきません。何とか頑張ってみます。平成4年の春、白蟻駆除会社を経営していた義父が急逝し、会社を手伝う事になりました。私を入れても全員で3名の小さな会社です。それまでの私の職歴は、自衛官時代の4年間を除き営業畑一筋で、技術系の仕事は初めての事でした。多少の不安はありましたが、とにかくやるしかありません。また、当時山口県協会の会長をしておられました奥田元会長に、シロアリ駆除工事全般の事や業界の展望、経営のイロハ等、いろいろと熱心にアドバイスをいただきました。奥田元会長を始めとしてお力添えいただきました皆様には感謝しかありません。ありがとうございました。現在、しろあり対策協会で活躍されています奥田広報委員は奥田元会長(山口県協会、中国協会)の息子さんです。入社が4月の忙しい時期でしたので、最初から調査、工事とフルアクセルで業務に挑むことになりました。工事のことは全くの初心者でしたが、在籍していた若い従業員のIさんが、工事全般について教えてくれましたので、その時期に、(防除施工標準仕様書に基づく)基本的な技術等を身に付けることができました。工事は2人一チームで行っていました。朝礼時の打ち合わせから現地到着、お客       浴室、トイレ、勝手口周りの木部処理及び様への挨拶から工事についての説明の後、工事開始です。私は床下の担当で、床下の木切れの搬出、ハツリ、穿孔処理、木部注入吹付処理を行い、先輩のIさんが玄関、コンクリート部の処理を行い、外部処理を終えた後、床下土壌処理を行っていました。最後に清掃の後、お客様への報告が終われば工事完了です。工事が終了し会社に帰っても、工事車の清掃、作業服の洗濯、報告書の作成、翌日の準備があります。空いた時間には、見取り図の図面上で穿孔処理や吹付処理の施工ルートの検討もしていました。最短ルートを確認し作業効率を高める為です。床下の作業はハードで毎日疲労困憊状態でしたが、数か月経った頃には作業もスムースにこなせるようになり、工事にも自信が持てるようになっていました。毎日同じことの繰り返しのようでしたが、基本の継続の中でこそ新しい発見が生まれ、基本技術を超えた独自の防除技術を確立できる株式会社古賀工務店 道源 敏彦12agreeable No.57 January 2021/1市営住宅のUB下(基礎断熱)イエシロアリ分巣第十三回先人に学ぶ

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