当時の使用薬剤穿孔処理が腕の見せ所在来工法以外の建物の駆除は終わりにのではないかと思います。強力なクロルデンが使用禁止になった後で、有機リン系薬剤が多く使用されていましたが、弊社では中外製薬が開発した、ウッドラック乳剤・油剤を使用していました。当時の薬剤の中ではLD50などの安全性数値に優れ、低臭性のいい薬剤であったと思います。ただ、他の有機リン系薬剤と同様に、忌避性のある薬剤であった為、シロアリ駆除の場合には、被害部や、気づけない見えない部分の中に、シロアリが残ってしまったりすると、再発の危険性が出てきますので、慎重に穿孔と注入処理を行っていました。現在では、建築構造の変化もあり穿孔処理の箇所は少なくなってはいますが、駆除の場面では被害部やシロアリの活動が予想される範囲には、どうしても穿孔処理が必要となります。目に見えない危険な部分(基礎のクラッ 内の木部)への注意と適切な処理が再発をク、土台と基礎の接合部、タイル下や壁体防いでくれます。※ シロアリの動きをイメージしながら処理をすると処理速度がアップします!!弊社に入ってくる駆除物件の大半は、地元工務店からの紹介で在来建築がほとんどでしたが、時々2×4住宅や軽量鉄骨造などの駆除物件も入ってきます。こんな時は建築図面をお見せいただき施工計画の参考にしますがそれでも難しいと思った時には、経験豊富な協会員さんのご協力をお願いすることになります。そもそも建築構造の知識が乏しいと駆除イメージを持てません。弊社は住宅メーカーとの取引がないので、この弱点を克服する為に努力が必要です。在来建築の他にも2×4工法、軽量鉄骨造、RC造他いろいろありますが、さまざまな建築工法についての勉強も必要です。地元協会員の皆さんとの交流が助けになります。新しいタイプの被害と対策さて、1990年代後半から今日に至るまで、セントリコンシステムを始めとして次々に新しいベイトや忌避性のない薬剤が出てきました。お蔭様でイエシロアリの駆除についても、かつてのように、再発をほぼ心配しなくてもいい時代になりました。一方で基礎断熱工法の普及による今までにない形での蟻害が拡がりつつあります。基礎断熱工法における蟻害の実態調査報告書によると、基礎断熱工法の被害の実態についてはまだ解明が進んでいない状況で、防除法もまだ確立していないようです。基礎断熱工法の住宅で被害が発生し、防除の相談があった場合は、各県しろあり対策協会・薬剤メーカーの協力を得ながら防除を進めていってほしいと思います。情報を共有していただけるとありがたいです。現在の住宅に液剤は、将来ほとんど使えなくなるのかも知れません。基礎断熱の駆除物件に保証がつけられるようになるのは、いつの日でしょうか?最後に先人に学ぶとは、少し視点が変わり、結果的に過去から届いた日記のようになってしまいましたが、しなければならない事は昔も今も一緒です。 『駆除と予防』これにつきます。シロアリ駆除の看板をかかげている以上、責任と誇りを持って頑張って日々精進してまいります。13agreeable No.57 January 2021/1玄関下周りへの拡がり配管隙間からの進入
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