昨年5月、ビルダー様より一戸建住宅2階から羽アリが出ているとの調査依頼を受け、後日調査に向かいました。お客様に状況を伺うと、数年前から1階和室に羽アリが発生していた。今年は1階廊下の天井照明器具付近と、2階洋間の2箇所、合計4箇所から大量の羽アリが発生したとのことでした。残骸を確認したところ間違いなく、ヤマトシロアリの羽アリでした。早速、床下を調査し、基礎に蟻道と生息を確認、傍にはオイルジョッキと袋に包まれた一斗缶が置いてありましたが、気にも留めませんでした。(写真1)すぐに台所の床下で大引と根太に蟻害を確認しました。しかし、あるはずの蟻道がみつからず、シロアリの生息も確認できません。(写真2)さらにリビングへ調査を進めて行くと、基礎蟻道にはシロアリの生息は確認されるが、床束や大引きには生息が確認できない。(写真3)床束や大引きの蟻害は大きく、木材強度の面からも補強または交換が必要なほどなのに…これほどの蟻道や蟻害がありながら、シロアリの生息が確認できる場所とできない場所が混在するのはなぜなのか。2階に羽アリが発生しているのであれば、柱、もしくは給排水管の保温材の中に蟻道があるはずと推測し、調査を続けました。1階階段の柱に蟻道を見つけましたが、天井まで通じているのかわからず、天井裏から確認してみ株式会社協和エムザー 菅野 誠吉 14agreeable No.57 January 2021/1写真2 大引蟻害(生息無)写真4 蟻道確認箇所(1階階段柱)写真1 蟻道(生息有)写真3 蟻害第9回羽アリの痕跡がない…?!ないようである事例
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