ることにしました。(写真4)ユニットバスの天井点検口から1階天井裏へ侵入したところ、床下で確認した柱回りの蟻道は、天井裏まで到達していませんでした。羽アリの残骸も全く確認されませんでした。2階洋間の真下なのに何故ないのか…(写真5)そこで、ここ数年、羽アリが発生している1階和室の天袋から天井裏を調査したところ、蟻道と生息が確認されました。(写真6)羽アリの発生源と思われますが天井裏に羽アリの痕跡が全く見つからず、今までの経験上から、聞き取り調査時の羽アリ発生数であれば天井裏に残骸があるはず…再度、周辺を確認しましたが羽アリの形跡はありませんでした。調査を終え、床下で見た一斗缶が気になり確認してみると、シロアリ防蟻剤でした。お客様にお話をお聞きしたところ、この住宅は10年前に中古で購入し、床下に防蟻剤があることは知らなかったとのことでした。前所有者が自分で駆除処理をしていたのではないかと考えられます。今回はお客様の希望もあり、大掛かりなリフォーム工事には至らず、壁を剥がして、すべてを把握することは出来ませんでした。目視で確認できた結果を整理すると、床下ではシロアリの生息が確認されない場所と、新たな蟻道を構築し生息が確認される部分とに分かれており、前所有者に確認することは出来ませんが、素人の駆除処理により「蟻害があるのに、シロアリの生息がない」という状況が出来たものと思われます。その後、駆除施工を弊社で行いましたが、天井裏の羽アリの残骸がなかったケースは、今まで経験したことのない稀な案件でした。今後も状況を注視していきたいと思います。15agreeable No.57 January 2021/1写真6 蟻道確認箇所(痕跡無)写真5 2階洋間下天井裏 羽アリ発生箇所(痕跡無) 蟻道
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