先人に学ぶというタイトルで原稿をお願いされましたが、書こうとするも、これまでに皆さんが投稿された文章を見れば見るほど、筆がすすみません。何も学んでないからなのでしょうが…。タイトルとは少し異なりますが、私自身の歩みを書こうと思います。 30年ぐらい前の話になりますが、私は定職にはつかず、色々なアルバイトをしていました。シロアリ駆除業に入ったきっかけは、バイト先の方からシロアリ工事の補助を探しているらしいよ、とのこと。その時、雇い主の岸本善男代表に出会いました。当時はまだベイト工法が浸透しておらず、すこし胡散臭い駆除法として位置付けられていました。日本しろあり対策協会が、ベイト工法を安易な工法として位置付けていた頃のお話しです。もちろんこの方法での仕事はあまりありませんでした。しかし、やってみたら面白かったのです。 不信を抱いて工事したお客さんが、駆除完了したらとても喜ぶ顔を見るのがたまらなく嬉しくて、そのお客さんから知人を紹介されるというルートができあがりました。一年をとおして温暖な気候の沖縄は、シロアリ発生率が全国一という不名誉な記録を保持しています。私が白蟻駆除工事とかかわった30年程前、他業種からシロアリ工事に参入する会社が増え、「工事したのに柱の中から音が聞こえる」「工事料金が高い」といったトラブルが発生し、一部に「換気扇を取り付ければ白蟻がいなくなる」などと言って売り込む会社まであって、白蟻業界全体のイメージが悪化していました。この問題を解決し業界全体のイメージアップを図ろうと、岸本代表は、有効なシロアリ工事を模索し、「ベイト工法」の導入に着手しました。皆様ご存知の通り、ベイト工法は、薬剤を散布せずに巣ごと壊滅させるという画期株式会社シロアリのファーブル 山田 正人16agreeable No.59 July 2021/7第十五回先人に学ぶ
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