はじめにジクロロメゾチアズについてネクサスZ(ゼータ)800の伝播効果についてline (ゼータ)800」の協会認定を 「ジクロロメゾチアズ」はこれ弊社は、今年5月よりJA全農が所有する新規原体「ジクロロメゾチアズ(dcormezotiazを有効成分とした「ネクサスZ取得し販売を開始いたしました。現在、しろあり防除に使用されている防蟻剤は、人に対する安全性、環境への影響低減といった課題の解決や益虫および標的外の生物に対する影響の低減など、昨今の社会的要求に応えるよう開発され、進化を続けています。らの社会的要求に応えることができる成分で、特にシロアリに対して低薬量で高い活性を示すことが確認されました。弊社では「ジクロロメゾチアズ」の高活性かつ安全性の両立を実現させる特長を活かし、しろあり施工店様、施主様を始め幅広い方々の要望に応える防蟻剤「ネクサス」シリーズとしてZMクロッププロテクション(株)(JA全農・三菱商事(株)合弁会社)、日本農薬(株)と共同開発しました。)」この度は、本誌での「ネクサスZ(ゼータ)800」に関する記事を投稿させていただく機会を頂戴しましたので、有効成分「ジクロロメゾチアズ」の特長および、その特長を活かした土壌処理剤「ネクサスZ(ゼータ)800」の性能について、一部ご紹介させていただきます。有効成分である「ジクロロメゾチアズ」は、昆虫の中枢神経に存在するニコチン性アセチルコリン受容体(“メソイオン系”化合物です。(表1)ニコチン性アセチルコリン受容体を標的とする化合物には、ネオニコチノイド系化合物が広く知られていますが、それとはncotinc acetylchoreceptors, nAChR)を標的とする ii - il 6違う作用点を持ち、非常に遅効的に作用します。認定薬剤相当を処理した石こうの上で、イエシロアリを強制接触させて観察してみると、フェニルピラゾール系化合物よりも遅効的に作用し6時間後に薬剤の影響が確認されました。(表2)ネクサスZ(ゼータ)800は、前述の遅効的な効果発現速度から伝播効果に高い期待を寄せておりました。現在販売されている防蟻剤においても伝播効果は、非忌避性・遅効性を合わせて“再発率”低減の駆除性能として皆さまのご評価につながっていると感じているからです。しかし、伝播効果については、各社各様の試験方法で行われており、実際に比較できる基準となる試験方法が存在しておりません。そこで私共は、ネクサスZ(ゼータ)800の伝播効果を評価するために、京都大学生存圏研究所へ委託しました。今回、考案された試験方法は、土壌処理用防蟻剤認定試験法に準拠した薬量設定と、実使用に即した施用方法としました。まず、木材保存協会規格じて認定薬剤濃度に調整した希釈液と指定土壌を1:4で混合したものを処理土壌とし、シロアリがH管を貫通するまでに要する時間を4時間と想定して暴露させた供試虫を、無処理虫(10倍数)へ投下し1次伝播としました。つぎに、24時間後に無処理虫であった個体を1次暴露虫として、さらに無処理虫(10倍数)へ投下し2次伝播としました。それぞれ試験開始から21日間シロアリへの薬剤の効果を観察しました。ここでは、すべての試験結果をご報告する事は出来ませんが、京都大学生存圏研究所で行って頂いた「認定試験薬量設定に準じた試験条件」で試験したJWPA-TS(1)(2018)に準第9回株式会社アグリマート 寒川 敏行agreeable No.59 July 2021/7薬剤の知識新規土壌処理剤ネクサスゼータ800について
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