弊社は、四国の南西部の愛媛県宇和島市でシロアリ駆除会社を営んでおります。この地域はリアス式海岸の複雑な地形と山の斜面からそのまま海に繋がっている場所が多く、また温暖な気候と降り注ぐ太陽と、青い海面からの照り返し及び石垣から反射する光で3つの太陽光で育つ甘美な「みかん」を筆頭に、真珠や鯛、ブリやハマチ、最近ではマグロや全身がトロと言われるスマなど高級魚の養殖が盛んな地域であります。南方の地域では、テーブル珊瑚や熱帯魚などが観察できる反面、冬になれば大陸から関門海峡を通り吹き込んでくる寒冷前線により年に数回積雪がある地域でもあります。シロアリの分布ではヤマトシロアリの分布は勿論、海岸沿いにはイエシロアリの多発地域でもあり、また最近一部地域ではアメリカカンザイシロアリの被 害も確認されました。さて本題ですが、今年の四月のこと例年のようにヤマトシロアリの有翅虫が群飛する時期となり、弊社にも「ハネアリが飛んだけん見に来てくれ」との連絡が入り調査に伺いました。現場に着いて建物を確認すると、築二十年くらいのいわゆる現代風の住宅で、いつも通り施主様に被害状況やハネアリの飛んだ場所を伺い、被害確認のため床下の点検に入りました。ハネアリが飛んだ付近の床下に布基礎と土間コンクリートの隙間(継ぎ目)から蟻道が構築されていて、蟻道を壊して種類を確認すると、やはりヤマトシロアリで間違いなく加害し始めてまだ年数が浅いのか、被害はまだそれほど酷くは無いようでした。床下の点検調査を終えて施主様にシロアリの種類、被害状況、使用する薬剤ならびに施工方法等を説明し、見積り金額をお伝えしたら「その内容でお願いします。」とご注文を頂き、施工日程を決めて駆除施工の段取りをさせて頂きました。そして施工当日、繰り返しにはなりますが、施主様に作業内容の説明をして作業に取り掛かりました。まず床下侵入経路を確保して周りを汚さないように養生をして薬剤、機材の準備をして床下の作業に入りました。従来通りシロアリ被害のある所は特に入念に、床下の隅から隅まで処理をします。床下の作業を終え、床下から処理出来ない玄関付近の作業も行い駆除施工が終了いたしました。後片付けをして、施主様に施工内容を説明していると「ウチはスーパーウォール工法やけん、建てた大工さんが、この家にはシロアリはつかんって言いよったんやけどね~」とお話しをしている際にふと何か違和感を持ちました。スーパーウォール工法といえば、断熱材を多用して高気密・高断熱をウリとしている住宅で、新築施工では弊社でも数件の施工歴はありまし有限会社白蟻研究社高倉 柴田 将志12agreeable No.60 October 2021/10第12回ないようである事例事前確認の重要性
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