読者からの投稿 55歳で社内の辞令により、突然に白蟻薬剤販売担当を命ぜられました。それまで、わたしは農薬販売(作物、林業、ゴルフ場他非農耕地)を担当しており、白蟻薬剤については全くの素人でした。家内に話したところ「シロアリって何よ? の返答が戻ってきました。私も「家屋の害虫」とまでは知っていましたが、人に聞かれれば答えに窮する状況でありました。まず、常識を得ようと福岡市立図書館へ行ってはみたものの、シロアリについて適当な解説書物が見当たりません。本屋へ行っても国語辞書程度の解説はありますが生態が解るものはありません。内容が判らないまま会社と家を往復する毎日が続きました。約1ヶ月が経ち、白蟻薬剤合弁のF社が大阪で2泊3日の研修会を実施するとの連絡がありました。とにかく内容を聞くしかないと開き直って研修会に参加しました。研修内容は薬剤説明が主体で生態の話はあまりなく、生態を理解出来ないままに終わりました。どちらかと言うとわたしは天井裏に登るのは苦手です。90キロ近いわたしが天井裏に入ったとして天井を踏み抜く(天井が落どんな虫なの?」とちる)可能性が高い。とにかくシロアリの生態を知りたいと思い、業者に呼ばれた際は床下に潜って蟻道を部分的に壊して、活動状況を観察する毎日が続きました。床下からなかなか出て来ないわたしを「シロアリのよう」とよく言われました。また、白対協・しろあり防除施工士受験のための「問題集」と「シロアリと防除対策」は日々少しずつを目標としていましたが、55歳で受かるのか否かでビクビクの毎日でありました。F社のベイト工法は当初、土壌用とコンクリート用とに分かれており、バケツのような土壌用を吹上浜K社試験地の一部を借用し28個埋め込み、アカマツ、クロマツ、カラマツ等の日本産餌木とベイマツとの摂食比較を行いました。バケツのような容器は一度に多数の試験餌木を入れて観察出来るので好都合でした。3月中旬に新しい餌木を入れ、3月下旬に観察に訪れました。結果は28個全部の餌木にヤマトシロアリが群がって摂食していました。その数たるや数拾万頭はいるのではないかと思われました。蓋を開けると外気が容器内に流れ込み、ヤマトシロアリが餌木や容器から地中に撤退するので、観察するのに何か良い方法は無いかといろいろ考えました。近くのDIY店で透明プラスチック板を購入しました。透明プラスチック板を蓋の代わりに乗せて半日、内部のシロアリ摂食状況を見ることが出来ました。この方法は以降の土壌中(容器内)のヤマトシロアリ、イエシロアリの活動状況を長く観察する絶好の方法となりました。4月末までにほとんどの餌木が摂食されて無くなり、新しい餌木を設置し直ぐにヤマトシロアリが群がりました。5月の連休明けの観察で二度驚かされました。4月末までヤマトシロアリが群がっていたのに、全てイエシロアリ摂食に替わっていました。イエシロアリの餌木摂食は激しく、一部の餌木は殆ど食べ尽くされた状態となり、一部の餌木を入れ替えることにしました。次の朝、またまた驚かされる結果となり ウロウロ居て、一部は体を震わせて警戒音ました。餌木の長さは15cm(6cm角材)もあるのに、昨日入れた餌木の真ん中に縦孔が出来たのです。イエシロアリ職蟻食害の凄さを見た瞬間でした。餌木上部には兵蟻がを出すものもいました。プラスチック板を乗せて外気を遮断するとまた元通りの活動樹木・病害虫防除コンサルタント 沖濱 宗彦18agreeable No.61 January 2022/1新米・しろあり防除施工士
元のページ ../index.html#20