3agreeable No.61 January 2022/1す。ローソク汁が染み込みやすくなるように、巣の表面を少しだけ削って内部への入口を作り、そこへお玉でローソク汁を注ぎ込みます(写真3左)。すると、ジュッジュー!ジュッジュジュー!!(写真3中)な、な、なんと、ローソク汁が(意外にも)相当高温になっているようで、まるで天ぷらを揚げた時や、熱したゴマ油をネギにかけた時のように、ローソク汁がかかったところの水分が一気に沸騰して泡だらけになってしまい、どうにもこうにも巣の中に染み込んでくれません(写真3右)。ローソク汁の温度が下がるのを待って何度もやってみたのですが、温度が下がると今度は冷えて固まってしまうのか、これまたうまく染み込んでくれませんでした。それでも巣にローソク汁をかけ続け、かけ終わったところで巣を持ち帰り、水を張ったたらいに入れました(写真4左)。そうです、水に浸けて巣材をやわらかくして取り除ければ、きっとそれなりの蝋細工が出てくるのではないかと淡い期待を込めてのことでした。しかし、巣材が溶けた泥水の中には特に何も見当たらず、泥水はただの泥水でした(写真4右)。誰かいい方法教えて下さい。写真2 ローソク汁を地面の小さな穴に流し入れたところ。うまくいっている。QRコード:チンケルの論文*に掲載されているアリの巣の型取の図へのリンク。リンク先の図は、左から歯科用石膏、アルミニウム、亜鉛、パラフィンワックス(ローソク)を使って型取りしたもの。*Tschinkel, W.R.(2010)J Insect Sci, 10(1):88.写真3 巣にローソク汁を流し込もうとしたところ。泡立ってうまくいかない。写真4 巣を溶かして「泥水」を作っているところ…。写真3
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