ベイト工法による方法防蟻材料その他による方法既存建築物の処理における留意点・ 面状散布における処理量と留5agreeable No.61 January 2022/1を被せるなどして防蟻層を保護するようにします。意点:液剤の散布量は1㎡当り3ℓです。粒剤等の散布量は帯状散布と同様に液剤相当量とします。帯状散布と面状散布を併用する場合は、図1に示すように帯状散布の内側部分に面状散布を行います。ベイト工法は、シロアリの習性、生態を利用して遅効性、伝播性の薬剤を餌(木材、紙、パルプなど)又は誘引物質とともに配合したベイト剤を特殊容器に入れて、建築物外周部等に配置し、コロニーの衰退・殲滅を図ることでシロアリ被害を防止する工法です。餌を喫食しているかなどを定期的に点検、確認する管理が必須です。当協会のベイト工法標準仕様書では、一般事項、ベイト工法の手順、保管・取り扱い並びに運搬上の注意、安全対策などを規定しています。ベイト工法による処理を行う場合はこの仕様書によって実施します。防蟻薬剤を散布する土壌処理と同等の効果を持つ方法として、以下の工法が開発されており、単独あるいは複数の工法を組み合わせることによって土壌処理の代替として採用すること・ 土壌表面被膜形成工法:建築・ 発泡施工法:建築物の床下内・ 土壌表面シート敷設工法:防・ パイプ吹付工法:あらかじめが可能です。当協会では防除施工標準仕様書の中で工法別の詳細を規定しており、これに従って処理を行うことになります。物床下の土壌表面および基礎内側の立ち上がり部分に防蟻剤を含む被膜形成用薬液を吹付散布し、土壌表面に被膜を形成する工法の土壌表面に防蟻剤を含む泡沫を付着させる工法蟻効力を有するシートを床下の土壌表面に敷設する工法建築物の床下に施工に必要な合成樹脂パイプを配管、パイプの始点と終点を一箇所に集結して防蟻・防腐薬剤をポンプで加圧送液、土壌および木部に吹き付け処理を行う工法既存建築物の場合、施工時にシロアリの被害を受けている場合と受けていない場合とがあり、それによって対処の仕方が異なるため、加害部位、侵入経路などの被害調査は特に入念に行う必要があります。既存建築物にシロアリの被害が認められない場合は、新築建築物の場合と同様の処理を行うことになります。一方、既存建築物にシロアリの被害が認められた場合は、土壌(1)床下が露地の場合は、シロ(2)床下にコンクリートが打設(ⅰ)基礎、束石、架台類及び配(ⅱ)床組構造が転ばし根太の場処理に先立って駆除処理を行う必要があります。とりわけイエシロアリによる被害が発見された場合は、イエシロアリの巣の駆除処理(建築物内及び近傍の巣の除去)が必要になります。外周部基礎の外側に蟻道の構築がある場合は、環境汚染を引き起こさないように十分注意して薬剤により駆除を行います。以下では、土壌に薬剤を散布する方法に関する留意点を述べます。アリの侵入経路になりやすい基礎、束石、架台類及び配管類の立ち上がり部分の周囲に対して帯状散布を行います。床下に水が溜っている場合には、床下が乾燥するまで、土壌処理を行ってはなりません。基礎コンクリートの立ち上がり部分にも薬剤の塗布または散布を行うと蟻道構築の抑制が期待できます。されている場合には、管類の立ち上がり部分の周囲のコンクリートの表面に帯状散布を行います。この場合、シロアリの侵入経路となりやすいコンクリート打ち継ぎ部分やひび割れ、スリーブ管の間隙部分などは特に入念に処理します。合には、コンクリートの表面に面状散布を行います。コンクリート表面に液剤等を散布する場合は、アルカリによる劣化を受けない薬剤を選定するようにします。散布によって床下を水損する恐れがありますので、規定量よりも処理する液量を減らしてもかまいません。但し、その場合は単位面積当たりの有効薬剤量が通常の土壌処理と同じ量となるよう、希釈倍率を低く(薬剤濃度を高く)調製した薬液を散布します。(ⅲ)既存建築物の場合、新築建築物に適用される処理法に加えて土壌注入法が選択できます。コンクリート等に穿孔し、注入器を土壌中に差し込んで薬剤を注入する方法です。施工対象箇所は、玄関・勝手口、トイレ・浴室のコンクリートやタイル部分下の土壌に限定されます。対象箇所であっても地下水が地表面に近い場所、及び井戸の周辺では行ってはなりません。なお、シロアリの痕跡が認められず、十分な厚みのコンクリートが打たれており、割れ等の欠陥が全く認められない場合には、この方法を併用する必要はありません。適用に当たっては、鉄筋等を傷つけないよう、地下水汚染を引き起こさないよう十分に注意し、周囲の環境や土質を十分考慮し、問題がないと判断できた場合に施工します。薬剤の注入量は土壌の質、周囲の状況などによって異なりますが、穿孔する間隔が1メートルの時、1孔当たり3~5リットルを標準とします。土壌注入法で使用する薬剤は液剤に限定されます。
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