agreeable 第66号(令和5年4月号)
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蟻害腐朽の最前線から日本には多くの文化財建造物や歴史的価値のある建造物があり、それらの建造物の維持管理や保全を行っていくことは大変重要なことであり必要であると考えます。山口県しろあり対策協会におきましては、公益社団法人日本しろあり対策協会の公益事業の一つである文化財等蟻害・腐朽調査事業について平成二十五年度より松下村塾や周防国分寺、その他の大変貴重な建造物に対して毎年調査棟数を決めて実施しています。調査を行った建造物については協会指定書式の報告書を作成し建造物の所有者、管理者にお渡ししております。調査や報告書作成は大変な作業となりますが、調査を実施した建造物の所有者や管理者の方々から大変感謝されております。調査を実施する建造物の所有者又は管理者のほとんどが、建造物に対してしろありや腐朽について日々の点検や調査は実施されておらず、我々が実施する調査がかなり久しぶりの調査の場合や初めて調査を実施するケースとなっています。対象としているのは、文化財指定を受けている建造物は勿論のことですが史跡や歴史的価値のある建造物や付属の建造物についても実施しています。また一つの敷地内にある複数の対象建造物を数年かけて調査するケースもあります。次に調査範囲についてですが、蟻害はもちろんですが、その他に虫害や腐朽、カビの状況について床下を含む目視出来る範囲の建造物内外で実施しています。調査を実施する調査員については事前に参加者を募って、当日参加された会員に対して班分けを実施した上で目視、打診、触診の方法で調査を行っています。通常床下部分や外部は特に問題無く調査は実施出来ておりますが、問題となってくるのが色々な条件において床下に入れない建造物に対してどう対処していくかです。現状での調査方法は外周の隙間からの目視、打診の方法で対応しておりますが、他によい方法はないかと毎回考えさせられます。調査結果についてですが、調査対象の建山口県しろあり対策協会 奥田 英樹12agreeable No.66 April 2023/4調査第1号物件調査した建造物      山口県内における 文化財等蟻害・腐朽調査事業について

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