造物においては築年数が経過していることもありほとんどの建造物で被害が確認されます。また、これらの多くは古い被害跡などで進行中の被害が確認されることはごく希です。進行中の被害においても軽度なものが多いため所有者又は管理者に状況を報告した上で、その場で応急処置的に対応しているケースもあり本格的な防除処理には至っていないのが現状です。また、被害がない場合の建造物についてもいかに防除処理につなげていくかが現状の課題の一つとなっております。毎年調査を実施していく中で、特にトラブルとなることは今まで有りませんでしたが、ある年のお寺の本堂の調査の際に床下にイノシシがいたことや、山門の調査の際にはミツバチが仁王像の口内に営巣していた事もありました。古い建造物であることから様々なことが起きる可能性があるなといつも感じております。報告書の作成については現在1名にて対応しておりますが報告書作成者がパソコン全般に詳しくなく簡単な書式のずれなどの修正にもとまどいながら毎回悪戦苦闘して作成しておりますが、報告書の内容ももう少し充実したものが出来ればと思っております。最後になりますが、貴重な文化財建造物、史跡や歴史的価値のある建造物を後世に伝えていくためにはこの調査事業は大変有意義な事です。今後の課題とすれば、今以上に調査全体の精度を上げていくことで、依頼者が今まで以上に喜ばれるものにしていけるかが重要であると感じています。13agreeable No.66 April 2023/4調査風景調査の様子
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