近年様々な分野で高性能なドローンの開発及び普及が進み手軽に使用されるようになったことで今まで見られなかった映像を映し出せるようになりました。国土交通省も令和4年度から既に始めている、産業用ドローンを使用した点検や災害時での確認などレベル4(有人地域での目視外飛行)といわれる飛行が開始され、実際に街の上空に飛んでいるドローンを頻繁に見られるようになります。世界では既に宅配や医療品のドローン配送は日常化されつつあり、遅ればせながら日本でも災害時の被災地の状況確認や寸断された孤立地区への物資輸送など本格運用が始まっています。住宅産業では、屋根や外壁の調査点検などで既に使用されていますが、この技術を床下や小屋裏の点検作業など、密閉された空間の調査で応用できないか、専門家に話を伺い実証実験を行いました。日本では通称ドローン(雄バチ)という名称でおなじみですが、正式には無人航空機UAV(Unmanned aerial vehicle)といわれ、趣味で使用するドローンと区別して使う場合もあります。大まかな区分として①トイドローン:100グラム以下の模型航空機②ホビー用ドローン:趣味の空撮、レース競技 ③産業用ドローン:産業活動を目的に分けることができます。産業用ドローンでは先程の国交省が中心となり推進し、次の4つの点検調査を主としています。①橋梁点検:高感度カメラを使用して0・01㎜のクラックまで測定可能で自動飛行と手動飛行を併用します。専用の点検重機を使用することなく細部まで正確に点検可能です。②鉄塔・送電線点検:磁場による電波攪乱によって墜落の危険性が高いため50mほど離れた場所から高精度の200倍ズームカメラを搭載し点検、同時にサーモカメラを併用し絶縁及び発熱などの異常を確認します。高所作業者の負担を軽減し人命に係る事故の防止につながります。また一度飛行ルートを設定すれば次回からは自動飛行が可能です。③外壁点検:マンションなどの外壁点検等に高性能サーモカメラを搭載したドローンで撮影をして異常の有無を調査します。大がかりな足場の設置が不要のため大幅なコスト削減が見込めます。④写真測量:上空から斜めに撮影して3D立体映像を作成しそのデータをもとに距離や面積及び体積を割り出すことができます。16agreeable No.67 July 2023/7他広報委員(株式会社友清白蟻):山辺 利成ドローンの床下及び屋根裏点検での活用について
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