令和元年10月31日に突如として発生した首里城正殿の焼失。日本、沖縄の歴史を語る上で欠かせない建造物の火災は、多くの人々を驚かせ、悲しませた事象であり、とりわけ沖縄県民にとっては、言葉には表すことの出来ないほどの相当なショックだったということ。この火災により首里城は、本殿を含む9棟の建物と歴史的遺産が焼失し、日本文化にとって大きな損失となりました。一方でこの首里城を生物劣化被害から守るために、沖縄県白蟻防除事業協同組合員の皆様が、シロアリ防除施工に永年に渡って携わってきました。首里城正殿焼失後の現在でも、組合員のもとで敷地内にある遺産群への防除施工・管理が継続されています。これは広報委員からの、今の首里城はどうなっているの?という誌面企画として、話を聞く機会を得ました。沖縄県白蟻防除事業協同組合の設立は、昭和46年2月と歴史があります。事務所は沖縄県那覇市与儀(よぎ)にあり、隣が一般社団法人沖縄県しろあり対策協会の事務所になっています。現在の組合加入者数(令対策協会認定のしろあり防除施工士集団であり、沖縄の環境や風土に合わせた防除施工法で、大事なマイホームや公共建造和4年12月末時点)は14業社で構成されています。協同組合への加入要件は、日本しろあり対策協会が認定するしろあり防除施工士の資格を有している者。若しくは白対協へ正会員登録をしている事業者(個人経営を含む)であることが求められます。主な事業としては、共同で薬剤の購買や工事の受注、工事の保証等を行っています。組合の設立以来、様々な建造物の防除施工を行ってきましたが、平成2年から、維持管理型シロアリ防除システムエクステラベイト工法を主体に、首里城や琉球王家最大の別邸でもあった識名園等の歴史的建造物をシロアリ被害から守り続けています。事務局長の下地恵介さんは「当組合に加入の組合員は、熟練を重ねた日本しろあり物を、安全かつ確実にシロアリ被害から守っています」と、時折笑顔を交えながら力強く語ってくれました。ただ、首里城焼失の話になると「やはり大変ショックでした。言葉では言い表せない悲しい出来事でしたが、特に首里市民は、ショックと絶望感が非常に大きかったようです。沖縄の人達は、子供の頃から自然に首里城と関わり、ともに暮らしてきた感じでしたので、焼失のショックは本当に大きなものでした」と、神妙に語った姿が印象的でした。首里城は、1429年に成立した琉球王国の政治、外交、文化の中心だった国王の居城でした。戦前には正殿などが国宝に指定されましたが、第二次世界大戦時の沖縄戦で焼失。平成になって、日本本土復帰20年を記念して復元されてます。その平成の復興が漸く終わりを見た時に、残念ながら〇沖縄県白蟻防除事業協同組合〇今の首里城は〇始めにとは公益社団法人日本しろあり対策協会 秋山 仁志20agreeable No.67 July 2023/7事務局長の下地さん 令和の首里城復元に向けた今とシロアリ防除事業
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