agreeable 第67号(令和5年7月号)
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正殿が焼失してしまいました。それから3年をかけて、令和4年11月に首里城正殿復興整備工事の起工式を迎えたのです。令和8年の竣工を目指して、再建に向けた実質的な工事がスタートしました。令和の首里城建設では、復興していく様子を間近で見ることができるよう、工事現場をオープン化してます。正殿前広場へ続く最後の門(奉神門)をとおり進むと、首里城正殿を建てるための木材を保管し加工する木材倉庫・加工場、原寸場がありました。原寸場は、設計図だけでは精度の高いものを作るには難しく、同じスケールの設計図とするために必要になります。内部には、人型作業イメージ図も設置されており、作業風景も少しイメージできました。できたら木材倉庫の壁を取り払い合体させ、その素屋根の中で正殿復元工事が進められていくそうです。12月末時点では、現さらに見学デッキ沿いを進むと、フェン    ス越しから正殿前広場である御庭(うなー)を一部見ることが出来ました。この場所に首里城正殿が建てられます。建築に当たっては、正殿を風雨から守るための、建物全体を覆う「素屋根」が建ちます。素屋根が場内はほぼまだ更地に近い状態でした。首里城正殿の構造を再現した模型が、 那覇空港の国際線エリアに展示されていました。焼失を免れた女官居室の実際の木材を使ったもので、釘を使わずに柱、梁、貫、桁などの部材を千本以上使い、組み上げた正殿の軸組み模型です。沖縄職業能力開発大学校と琉球大学の学生、延べ16人が約1年半かけて製作したそうで、びっしりと立つ丸柱に規則正しく交差する貫等、内部の構造が正確に再現されています。復興への足音が急速に高まっている事を感じつつ、沖縄の人々の誇りでもある首里城正殿の早期完成と無事竣工を心から願います。この歴史的建造物の復元、存在を通して、維持管理していく上での一つとして、シロアリ防除関係者の関りを忘れないで欲しいと改めて感じました。この首里城公園内にあるすべての建造物を、シロアリの被害から守る形があって、安心と安全、信頼へつながっていきます。今後神々しく輝くだろう令和の首里城は、目立つことは無いかも知れないけど、輝を反射させる力となる防除施工が加わって、首里城なのだと思いました。〇終わりに21agreeable No.67 July 2023/7奉神門(ほうしんもん)から見学デッキを通り木材加工場へ素屋根が建つ現場内部(2022年12月末)加工場内部・原寸場フェンス越しに見る御庭首里城正殿1/10スケールの軸組み模型(高さ約2m、幅約3m、奥行き約2.3m)

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