agreeable 第68号(令和5年10月号)
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18agreeable No.68 October 2023/10ていること それ以外の分解者(微生物等)による分解スピードよりも速くなること、つまり、温暖化による気温上昇にともない、生息エリアにおけるシロアリの枯木の分解スピードは、更に速まるのではないかということありますが、今やグローバルレベルで共通理解)また、現在はまだシロアリが住んでいない地域も気温が上がるので、シロアリはその地域でも生息できるようになる、木材内に固定されている炭素が別の形で放出される、ガスとして主に水素とメタン(CH4、二酸化炭素よりも温暖化への影響度が高い温室効果ガスと言われてます)参考文献 Termite sensitivity to temperature affects global wood decay rates, Article in Science · September 2022、DOI: 10.1126/science.abo3856, Jeff Powell et al.シロアリと生存圏科学―シロアリは地球を救うか?ー、吉村 剛※英語名表記が多いため、横書にしております。イシロアリ(Incisitermes minor)という種の報告もありますが、ここでは詳細を省きます。ヤマトシロアリは、その名のとおり日本固有の種で、北海道の一部を除く、日本全国に分布しています。北海道に関しては、研究者の地道な努力により北海道内の生息北限又は生息エリアが報告されています。 さて、私の想像に戻ります。論文の私なりの理解と、これまで素人ながらシロアリについて勉強してきたことと、今回の論文の内容から関係する要素を列記してみます。●枯木は大規模な炭素貯蔵庫であること ●シロアリは世界中にいること ●シロアリは、森(森林圏)の枯木の分解者の一翼を担っ●シロアリの枯木の分解スピードは、気温が上がるにつれ、●地球温暖化は進みつつある、ということ(様々な意見は次に、上記の要素の順番を入れ替えつつ、私の夢想とその他の科学的知見を入れて書き換えてみると・・、●地球温暖化は進みつつある、➡ ●温暖化が進むと、その地域での枯木分解スピードが速まる。➡ ●枯木は炭素貯蔵庫だから、シロアリが枯木を分解すると、➡ ● シロアリが枯木を分解する際に開放される炭素は、排出である、(シロアリと生存圏科学―シロアリは地球を救うか?ー、吉村 剛)➡ ●「シロアリはその発生するガスによって大気圏環境や地球温暖化とも深い関りを持っている」(シロアリと生存圏科学―シロアリは地球を救うか?ー、吉村 剛)としました。 では、ここから想像される結論は・・ここまでくると読者は、筆者の想像がなんなのか読めてくると思います。 シロアリが生息域を広げ、より積極的に枯木を分解すると、メタンの放出が今より増え、温暖化がより進むのではないか?ということです。メタンは二酸化炭素に比べて温室効果が高いと言われてます。つまり、そうでなくても温暖化が進んでいると言われているのに、その温暖化そのものがシロアリ生息域の広がりを助け、より温暖化に寄与してしまうのではないか?又は、シロアリが温暖化の原因の一つと言われるようになるのではないか???ということになります。しかし!  筆者はいわゆる学術系の科学者又は研究者ではありませんので、このような想像をめぐらすことそのものは、いつも楽しんでいるところですが、それだけでは単なるお遊びでしかありません。ここまで展開した説では、一部の事象しかみておらず、全体としてシロアリという生物に関する研究、考察としては十分なものではないと自覚しています。科学的な客観性にも欠くとも思います。いかがですか?なかなか難しいテーマではないでしょうか。 ・・とここまできたところで、今回は誌面が尽きてしまいました。次号につなげて、私なりにもう少し深堀をしてみたいと思います。はたしてシロアリが寄与するメタン排出は、地球温暖化の面から、気にしなくてはいけないものなのでしょうか??・・続きは次号!

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