ブックタイトルしろありNo.151

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しろありNo.151

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概要

しろありNo.151

叢の 解析や培養実験に使用した。結 果イエシロアリはフェノールの毒性に対して個体差があり,その約 %は 日以内に死滅したが, 日以上生き残るイエシロアリも %程度存在した。顕微鏡観察および 法によって腸内微生物叢を解析した結果,フェノール人工餌を摂食することにより,腸内微生物叢が大きく変化しており,従来の集積培養によって得られる細菌叢とは大きく異なることが明らかとなった。木材あるいはフェノール人工餌を 日間摂食し生存したイエシロアリの腸内微生物叢から,フェノール( )を単一炭素源として含む寒天培地を用いてフェノール分解菌をスクリーニングした。しかし,寒天培地上に生じた の %以上はフェノール分解能を示さないフェノール耐性菌であった。そこで,フェノール分解菌のみをスクリーニングするため,寒天平板培養法に代えて法を用いた結果,木材摂食イエシロアリからはの しか生じなかったのに対し,フェノール人工餌摂食イエシロアリからはの が生じ,その全てがフェノール分解能を有していた(表 )。フェノール人工餌を用いたイエシロアリ腸内に存在するフェノール分解菌の濃縮効果を評価した結果,赤松木材摂食のイエシロアリでは腸内の全細菌中に存在するフェノール分解菌は ( あたり )に対して,フェノール人工餌を摂食した場合は( あたり )であり,腸内のフェノール分解菌の存在比が約 倍濃縮している事が示唆された(表 )。以上の結果から,フェノール人工餌摂食によってフェノール分解菌がイエシロアリの腸内に濃縮されることが明らかとなった。さらに全てのフェノール分解菌のコロニーを回収して 解析 )した結果,木材摂食のイエシロアリの腸内からスクリーニングした場合 種類の 分解菌しか得られなかったのに対し,フェノール人工餌摂食により検出限界以下の低濃度であった多種類のフェノール分解菌を高濃度化し, 種類の分解菌を効率的にスクリーニングできる事が示された。考 察現在,微生物関連産業界では, 純粋培養法を基礎とした従来の微生物スクリーニング法では,自然界から新規な有用微生物を獲得することが困難になりつつある という事が問題となり,この現状を打破できる新規な微生物スクリーニング法の必要性が叫ばれている。本研究で開発したスクリーニング法は,腸内微生物叢を有する他の昆虫にも適用できる可能性があり,これまで獲得が困難であった検出限界以下の低濃度の目的微生物を,餌成分をコントロールする事により昆虫腸内に濃縮し,効率的に獲得できる可能性がある。本法は新規有用微生物の獲得が切望されている微生物関連産業の活性化に大きく貢献することが期待される。引 用 文 献)( ))( )( )表 フェノール人工餌を用いたイエシロアリ腸内に存在するフェノール分解菌の濃縮餌条件全菌数( )フェノール分解菌数( )フェノール分解菌存在比赤松木材フェノール人工餌メンブレンフィルター法によるコロニー形成数フェノール分解菌数 全菌数