ブックタイトルしろありNo.151

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しろありNo.151

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概要

しろありNo.151

( )しろあり 年 月は じ め にヤマトシロアリの階級分化では, 齢幼虫はニンフ系統( 齢)と職蟻系統( 齢)の つの系統へ分化する。また,終齢ニンフは有翅虫になる可能性を秘めている。 齢職蟻は前兵蟻を経て兵蟻へと分化するものもいる。ニンフ系統ならびに職蟻系統の各々から幼形生殖虫と呼ばれる生殖能力をもっと個体が分化してくる )(図 )。シロアリの階級分化は幼若ホルモンの力価による影響を受け ),幼若ホルモンの力価が高いと兵蟻へ ),力価が低いと幼形生殖虫へと分化すると推定されている )。幼若ホルモンは,昆虫体内では,エステル加水分解によって幼若ホルモン酸へ,またエポキシ水和により幼若ホルモンジオールへそれぞれ代謝される。この幼若ホルモンの代謝は,それぞれ幼若ホルモンエステラーゼならびに幼若ホルモンエポキシヒドロラーゼの存在下で進行する )。ノルハルマン(図 )はシロアリの血リンパに存在し , ),昆虫病原菌であるに対する抗菌活性を有し ),さらに光検知物質として機能する )と報告されている。またノルハルマンにはシロアリに対する自家光毒性があるとも言われている )。ここでは,ヤマトシロアリの体内でのノルハルマンの局在個所,ノルハルマンによる幼若ホルモンエポキシヒドロラーゼ活性の促進作用,階級分化や産卵 に 対 す る 影 響 を 調 べ た 結 果 を 中 心 に 報 告 する , )。試料と方法シロアリ和歌山県の煙樹海岸で採集したヤマトシロアリ( )を供試した。また,実験室で飼育したイエシロアリ( )を実体顕微鏡観察と によるノルハルマン定量実験で用いた。顕微鏡観察ヤマトシロアリおよびイエシロアリにブラックライト( , , )を照射し蛍光を実体顕微鏡で観察した。またヤマトシロアリの凍結切片( )を作成し,白色光とブラックライトを照射して顕微鏡で観察した )。ノルハルマンの定量ヤマトシロアリ( 頭)およびイエシロアリ( 頭)ホモジネートのメタノール抽研究トピックスノルハルマンは何のためにヤマトシロアリに存在するのか板 倉 修 司図 ヤマトシロアリの分化経路( ),), )を改変)( )有翅虫,( )卵,( )職蟻型幼形生殖虫,( )幼虫( )ニンフ( )ニンフ型幼形生殖虫,( )前兵蟻,( )兵蟻,( )職蟻HNN図 ノルハルマン