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しろありNo.151

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概要

しろありNo.151

や火山灰などを使う調味室とホール間の壁半間分の軸組み(柱及び間柱の補強,交換)調理室 間分の土台に接するコンクリート床を 幅ではつり,スタイロフォーム下の旧コンクリート床の状況を確認する。薬剤処理などによる駆除と再発防止法(図 )交換部材は加圧注入処理材を使用する。現場で加工された部材には,再度薬液の塗布または吹き付けを行なう。胞子が飛散している可能性があるので,床組み全体に薬液の塗布または吹き付けを行なう。薬液は社団法人日本しろあり対策協会により認定された油剤を使用する。床下にある木片,カンナ屑をきれいに除去する。調理室のコンクリート床を 幅ではつり,スタイロフォーム下の旧コンクリート床面に菌糸束などが認められた場合は,取り除く。ま と めナミダタケ被害の発生した建物で見られる特徴として,次の つが挙げられる。床下換気口の数が少ないか小さい。したがって床下は通風がなく,湿気が多い。増改築などで換気口が塞がれたり,また閉じたままになっている。間仕切り基礎に通気口がない。新築あるいは増築後 年経過した建物に多い。浴室基礎の型粋が置き忘れたままになっている。床下が木片,カンナ屑等で汚れている。今回の物件は,これらの条件の多くが当てはまるが,このような現場は日常的にしばしば目にするので,この建物でナミダタケ被害が発生した真の原因はわからない。しかしながら一般的に行なわれている増改築に伴う環境の変化もナミダタケ被害の引き金になる可能性があることを認識することが大切である。そしてナミダタケの疑いがある場合は,床下ばかりでなく壁内を含め十分な調査を行い,被害材の交換や土の入れ替えを実施したうえで,木部への防腐薬剤処理により対応することが重要である。以上,宮城県 市におけるナミダタケ被害対応事例を報告した。希少例かも知れないが北海道や東北だけで発生する被害ではないと聞く。会員各位に何か参考になれば幸である。最後に本調査に関してご指導いただいた,筑波大学土居修一教授(東北・北海道支部長)に厚く感謝申し上げたい。参 考 文 献青山修三( ) 北海道の腐朽菌とシロアリ生息分布図,日本木材学会生物劣化研究会要旨集.土居修一ほか( ) ナミダタケとどう闘うか─ナミダタケの生理と防除,第 回日本木材学会北海道支部研究会要旨集.( 三陸くんじょう)( )調理室和室玄関ホールホール床組み除去及び土の入れ替え範囲廊下 トイレコンクリート床のはつり箇所図 調査後に計画した駆除範囲と方法