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しろありNo.151

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概要

しろありNo.151

り,相方の意向が合致した。うまく事業が運べば,県教委は行政の文化財保護の取り組みを示せるし,しかもそれが単年度ではなく継続事業として行われるなら指導力も評価される。我々も協会の知名度を上げることのみならず社会貢献を通じて,いわゆる非会員へ流れているユーザーの取り込みも期待できる。相方の意向が合致した所以である。また平成 年は 静岡県しろあり対策協会 が正式に創設されてから 周年に当たるので,この事業を 周年記念事業 とし,実施日も平成 年 月日(シロアリの日), 月 日(ムシの日)と決定した。調査箇所の選定については,平成 年 月 日付で,静岡県教育委員会文化課課長名で各市町教育委員会文化財行政主管課長宛 文化財(建築物)の蟻害・腐朽検査について (依頼)通達文書が出され,月 日の締め切りまでに,東部で ヶ所,中部でヶ所,西部で ヶ所,合計 ヶ所の手が上がった。その中から理事会で東・中・西 各 ヶ所ずつ選定した。静岡県から全国へ発信する このキャッチフレーズが県を動かしたのかもしれない。調 査実施までの期間が ヶ月しかない上,さらに特別緊急調査物件が ヶ所加わり,参加者募集,実施要領書の作成,本部への応援要請,報道機関への告知(県教委から記者クラブへも要請)などをこなした。回目は檜垣会長以下,中島関東学院大教授,土居筑波大教授,土井大阪市立大准教授,坂崎元中部支部長にも参加していただき,また中部支部,関東支部の応援をいただいて, 社 名が参加した。回目は山北中部支部長にもおこしいただき, 社名が参加した。調査は 蟻害・および腐朽の検査診断手法 によることにしたが,対象建物が文化財なので,原則目視,また建物が大きいので天井は調査対象からはずし,特記仕様を作成して床下のみとした。またシロアリ以外の建物害虫についても詳細ははずした。しかし,熱海市の 起雲閣 は建物構造が多種であり,床下がない部分もあったので,マイクロウェーブを使った検査方法(写真 )や試験的に調査ロボット(写真 )も使用した。結 果(写真 , , )舞坂脇本陣 以外すべての建物で被害が見られたが,ほとんどが旧害で,実際に生きている被害は妙法華寺 忠霊殿と, 起雲閣 和室見学施設のみであった。これはほとんどの建物がクロルデンが使用禁止になる 年直前に処理されているので,その影響が残っているのかもしれない。近いうちに土壌分析を行うつもりでいる。しかし,被害のひどいのは腐朽であり,すべての建物に見られ,何らかの処理をしなければ保存上,あるいは,耐震上も問題があると思われる。報告書はすべて,文化庁にまで渡っているとのことである。平成 年 月 日,県教委の鈴木指導主事,関東学院大中島教授をお招きして,今回の報告会を開き,関東,静岡,愛知,岐阜から 名が参加した。( )