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しろありNo.151

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概要

しろありNo.151

害を受けていたわけではなく,無差別に実施した結果であることを考えると,比較的高い検出率であったのではないかと考えられた。なお,冬季の比較的寒い時期にも最も高いヒット率が確認されたが,これは前年のシロアリ活動時期に設置したものを,たまたま冬季に観察したことによる結果である。富山市,高岡市も典型的なヤマトシロアリ生育地域であり,同地域においても十分なモニタリング効果を得られた事は意義あるものであった。モニタリング試験を通してすでにターマセンサーについては,イエシロアリ地域においてモニタリング試験を実施し,高い検出成果を上げているが,今回の試験はさらに進めて,特にヤマトシロアリの検出可能性を探ることを目的に行った。既知のごとく,ヤマトシロアリは感受性が高く,ちょっとした刺激にも敏感に反応するため,なかなか安定した検出結果が得られないできた。その一因に,モニタリングの際の検査方法にあるのではないかと考えた。すなわち,観察時には,たいてい装置のふたを開放し,場合によっては誘蟻材料を取り出すなどの操作が必要になる。この際に刺激を受けたシロアリは,ただちに逃避行動に出て,ほとんどの場合は元に戻ってこない。ターマセンサーは,ヤマトシロアリのこうした敏感な性質に配慮し,またシロアリが好む好まずにかかわらず,発泡性樹脂に穿孔被害を与えるという性質を利用して考案された。すなわち,ふたを開放する際にわずかな振動刺激はあるものの,空気の動きがなく,シロアリに危険を感じさせる度合いを著しく低減させた。しかも,内部の誘蟻材料を取り出すことなく,透明樹脂板上から発泡性樹脂の食害の有無や程度を確認するだけで,シロアリの検出が可能となった。実際のモニタリング試験においても,すでにシロアリの生育が確認された地域では %(表 )という高検 率を示し,また未確認地域でも約 %の検出率を得た。特に今回のモニタリング試験において,観察を重ねてもシロアリの逃避がほとんどなかったこと,またシロアリがヒットしたか否かに係らず顧客の関心が高く,点検更新率が %となったことは,興味深い。ま と めシロアリ防除業界に対する不信感はわれわれ防除業者と顧客との接点を大幅に減少させることとなった。一旦失われた客の信用回復には,顧客とのオープンなお付き合いが必須と考えられる。そのために( )写真 一般住宅に埋設 写真 一般住宅に埋設写真 一般住宅に埋設