ブックタイトルしろありNo.152

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しろありNo.152

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概要

しろありNo.152

減ったためか,イエカミキリの数も激減しており,被害をほとんど聞かない。沖縄の大東諸島以外では本種の採集も難しくなってきた。そのためか,被害は外国から入ってくる木製品が中心である。例えば,最近,筆者が確認したのはタイや中国南部産のフローリング材からである。雌成虫は乾燥した材であれば樹種を問わず産卵するし,幼虫期間が年と長いので,製品になった後も内部を食い荒らす。そのため,気がついた時はフローリング材がボロボロになっていることが多い。熱帯地方の昆虫なので,日本本土で定着することはないが,被害による経済的損失は少なくない。成虫の形態体長。体は暗赤褐色から黒褐色,黄白色毛をもつ。前胸背板は大きく,背面は凹凸があり,大きな点刻をもつ。上翅には不定形の大きな顆粒をもつ。触角は雄では体長の約倍と長いが,雌では上翅端をわずかに越す程度で短い。生態成虫は月に出現し,夜間活動する。雌で個の卵を産む。産卵場所は家屋の柱,梁,家具などの割れ目,へこみなどに卵を産みつける。沖縄では, 世代約年かかる。夜,木造家屋ではキリキリと家屋の材を齧る音を立てることから,この名前がついた。食樹ナギ,モミ,スギ,タケ類,トキワギョリュウ,ヤマモモ,オキナワウラジロガシ,オキナワジイ,マテバジイ,ケヤキ,ウラジリエノキ,シマグワ,イヌビワ,アコウ,ヤマモガシ,ヤブニッケイ,ニッケイ,タブノキ,ホソバタブ,バリバリノキ,ヒイラギズイナ,オキナワトベラ,イスノキ,ホソバシャリンバイ,ソウシジュ,リュウキュウミヤマシキミ,シナアブラギリ,アカギ,ウラジロカンコノキ,アカメガシワ,ハゼ,シマイヌツゲ,モチノキ,リュウキュウモチ,ショウベンノキ,ヤマビワ,コバンモチ,ホルトノキ,サキシマスオウ,ヤブツバキ,サカキ,テリハボク,イイギリ,アデク,タラノキ,タイミンタチバナ,トキワガキ,ミミズバイ,クロキ,エゴノキ,シオジ,チーク,クチナシ,サンゴジュ)。分布奄美諸島以南の南西諸島,中国南部,台湾,インドシナ,タイ,バングラデイッシュ,インド,インドネシア,フィリピン,オーストラリア(侵入)。小笠原の記録はあるが,チャイロヒメカミキリの誤りである。マルクビケマダラカミキリ( )( )(写真)事例こけし(弥次郎系五寸,ウリハダカエデ)から年後に出てきた。年月日,つくば市の独森林総合研究所内に置いてあったアカメガシワの木材標本からメスの成虫個体,幼虫個体が見つかる。ただし,産卵された時期は不明である。この他,北海道,岩手県で本種が屋内で見つかっているが,詳細は不明である。さらに最近は中国からの梱包材,木製品や漢方薬について日本国内に入ることが多々あり,こちらのほうの問題が大きい。成虫の形態体長。体はやや厚みがあり,暗赤褐色から黒褐色で,触角と肢は赤みを帯びる。前胸背板背面は緩やかに隆起し,大きな点刻をもち,雌では特に密である。上翅の被毛は長く,触角は雄で長く上翅端に届き,雌では上翅のに届く程度で短い。生態成虫は夜間に活動し,燈火にも飛来する。産卵は乾いた樹皮付き材に行う。通常, 年世代,中国では年世代もあるといわれる)。上記の,( )写真マルクビヒラタカミキリ