ブックタイトルしろありNo.152

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しろありNo.152

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概要

しろありNo.152

厚さの粒子層において,イエシロアリが侵入できる隙間が連続しなかったためと考えられる。既報の結果)によると,石粉造粒材料の粒子層ではシロアリの侵入防止に有効な粒子径範囲はであり, 以下の粒子層はほぼ日で貫通されることがわかっている。これは,石粉造粒材料は粒子が比較的密に詰まるため,多少粒子径が大きくてもシロアリがすり抜けるための粒子間の間隙は生じにくいが,口器による運搬に対して十分な阻止効果が認められないことを示している。一方,ゼオライト造粒材料は, の範囲では,石粉造粒材料と同様,粒子層が密に形成されたことによりシロアリの貫通を阻止したと考えられる。別途,触針式表面粗さ測定器で計測した結果,ゼオライト造粒材料の表面が石粉造粒材料の表面より滑らかで,粒子どうしが互いに引っかからなかったことにより,シロアリの粒子運搬に伴って粒子層の流動的な崩壊が促進され,恒常的な蟻道の構築に至らなかったためと考えられる。今回製造したゼオライト造粒材料は,吸放湿性と物理バリア性能の両面において有効であることが認められ,さらに粒子の製造過程において,製造方法や造粒機の種類を適切に選択すれば,より性能の高い粒子材料が得られることが期待できる。現在,京都大学生存圏研究所の木質材料実験棟共同利用研究により,住宅床下土壌に生息するヤマトシロアリコロニーに対して,ゼオライト造粒材料を敷設し,シロアリ貫通阻止効果を検証するとともに,床下環境の湿度変化の測定を行っている。引用文献)( ),) ( ))簗瀬佳之・藤井義久・奥村正悟・吉村剛・今村祐嗣・石田充克・川口浩寿・奥村敏信( ) 種々の粒子材料のシロアリ物理バリアへの適用─ 粒子径,粒子形状および表面性状がシロアリの貫通行動に与える影響─,材料, , .)簗瀬佳之・上谷幸治郎・藤井義久・奥村正悟( )ゼオライト造粒材料の吸放湿性とシロアリ貫通阻止性能,材料, , .(京都大学大学院農学研究科)( )