ブックタイトルしろありNo.153

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しろありNo.153

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概要

しろありNo.153

は地面に木杭を打ち込み,シロアリがその木杭を加害する為に集まってきた頃合いを見て木杭を引き抜いて大学の試験室へ運びシロアリを採取していた(図)。しかし,木杭はシロアリの加害を受けているので,木杭を引き抜く時に,殆どのシロアリは地中にある木杭の残骸に残り,この方法では,集まってきたシロアリの大多数を確保することが出来ない。そこで,玉城博士は下端が開いた長方形の木箱を木杭に被せて,木杭を伝って木箱に集まってきたシロアリを集める方法を考案した。この方法により大量のシロアリを効率よく傷つけずに元気な状態で採取することが出来る様になった(図)。玉城博士の下で学んだは請われてフロリダ大学でイエシロアリの研究を開始することになった。研究に当たり, 博士は革新的なアイデアによるシロアリの採取方法を開発した。それは,容器の側面にシロアリが通過できる孔を設けた容器の中に餌木を入れて地面に埋設し,そこに集まってきたシロアリを容器ごと,丸ごと,効率よく採取する方法である(図)。しかも,採取したシロアリを着色して容器の中に確実に戻すことで,キャッチアンドリリースによるシロアリのテリトリーの大きさや行動距離などのシロアリの行動学並びに集団の頭数の計算に大きな役割を果たすこととなった。ベイト工法博士が次に考えたことは,容器の中の餌木に集まってきたシロアリは容器を餌場と認識しているので,容器の餌木を取り出して,その代わりに毒餌を入れることである。試験の結果シロアリが上手く喫食し,集団を絶滅させることが出来た。この手法を発展させてベイト工法を発明した。そのシステムをダウ・アグロサイエンス(現在)が更に発展させて作り上げたのがセントリコン・システムである。この時のスタイルは,後日,シングルステーションと名付けられた(図)。このシングルステーションは餌木を容器から取り出してベイチューブという円柱型ベイト剤を投与するシステムである。しかし,餌木を容器から取り出してベイチューブを投与する行為はヤマトシロアリに対して,大きな刺激をあたえた。その刺激を少なくする方法として考案されたのが餌木を上下二段にし,円柱型ベイト剤(ベイトカップ)を投与する方法で,シロアリが容器に集まってきた時に,下段の餌木は容器の中に置いたままで,上段のみを取りだしてその空洞部分にベイトカップを投与する方法である。この方法をダブルステーションと言い日本で開発した改良型である(図)。しかしこの方法でも,上段を容器から取り出す時に刺激があった。そこで,高知大学と米国で開発したのが,餌木を容器内壁の周囲に配置し,中央部に空洞を設け,シロアリが餌木に集まってきた時に,シロアリに刺激を与えないで,ベイト剤を空洞部に投与出来るシステムである(図)。この工法により,刺激を著し( )図しろあり採取法図しろあり採取法図しろあり採取法