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しろありNo.153

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概要

しろありNo.153

ていない協会員による蟻害・腐朽検査員制度の啓発になればこれほど効果はないと考えている。これらは回や回の検査では駄目で,少なくとも未調査文化財がある限りやり続ける必要があろう。しかし,この事業の難しい点も明らかなってきている。大きな点を列挙すると,調査について該当調査責任者は調査前に図面を確認するだけでなく,実際に現地に赴き調査範囲,床下に入る箇所・方法・養生の仕方を必ず確認しておく。責任者の確認事項を添付して,事前に調査員に調査マニュアル(目視・非破壊調査であること・調査事項・写真の撮り方・メンバー表など)を送付し,前もってシュミレーションしてもらうよう徹底しておくこと。写真には必ず文章で説明をつけてもらうこと。養生は特に徹底させること。回の経験から,建物の周囲の状況調査がおろそかになりがちである。全員で外から調査を始めること。終了後全員で総括を行っているが,単なる感想ではなく,そのまま調査報告書の所見となるような意見を引き出す。責任者が報告書をケ月以内に完全完成させる。日が経つ毎に記憶は曖昧になる。腐朽とシロアリ以外の建物害虫の被害について,もう一度研修をする必要がある。その他のことは調査マニュアルに列記されているので,上記のことが遵守されれば,回を追うごとに完成された文化財蟻害・腐朽検査報告書になるだろう。所見について調査者全員が所見を考え,それをリーダーがまとめる形で新しい所見を作る。現在の報告書は写真と現況報告が主体で,今後の保存に対する具体策が抜けている。我々の考える対策提案をしっかり折り込む必要があろう。対策提案を行った場合の予算なども今後提示してもいいだろう。協会で防蟻・防腐対策を請け負うことのできるシステム作りを行う。(静岡県支所)( )