ブックタイトルしろありNo.154

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しろありNo.154

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概要

しろありNo.154

調査方法シロアリ相調査シロアリ相の調査は熱帯アジア域におけるシロアリ相の標準的調査方法として確立されているのベルトトランセクト法によって行っている)。まずの調査区画を設定するが,調査地の環境を代表する区画を適切に選ぶことが大事である。これは,豊富な調査経験を有する竹松氏の眼力に負うところが大きい。このベルトトランセクトをの小区画に分割する(図)。この小区画について, 人が分で,倒木,朽木や倒木下の土壌,枯枝について,そこに存在するシロアリをすべて採集する。シロアリの塚や高さまでの樹上巣や蟻道などについても同様に採集を行う。したがって, 人で調査を行った場合は時間,人の場合は時間, 人の場合は時間半の調査時間となる,熱帯での調査であるため体力の消耗も激しく,できれば最低人以上欲しいところである。以下に調査に当たっての重要なポイントを挙げておく。一つの小区画で同一種は重複して採集しない。可能な限り複数個体の兵蟻を採取する。どの区画においても同じ方法で分間の調査を行う。土壌サンプルは深さの試料をヶ所採取する。その後,採集物をとりまとめ,各区画における種数を算出し,区画全体のデータをとりまとめるが,調査後にはいわゆるトランセクト道が出現する(写真)。木材腐朽菌類調査腐朽菌類の調査は,シロアリの場合とは異なり,つの方法で行っている。まず,定量的な評価については,シロアリ相の調査で設定したのラインに直交する形で幅,長さのベルトトランセクトを本引き,この区画内に存在する木材腐朽菌類の子実体(いわゆるキノコ)をすべて採集する。次に,その地域全体の種構成を評価する目的から,シロアリ用ベルトトランセクトと木材腐朽菌類用ベルトトランセクトをすべて含むの区画内でランダムな子実体の採集を行う。調査地表に現在までの調査地について,その概要をまとめて示す。また,写真に調査地の様子を示す。これまでの調査結果の概要インドネシア・スマトラ島・パレンバン市郊外アカシア・マンギウム植林地写真に示すように,数十万ヘクタール規模の広大な植林地であり,車で走っても植林地がひたすら続く景色である。この植林地はパルプ原料用として年のサイクルで伐採しているとのことであり,現在のところシロアリによる被害が問題とはなっていない。しかしながら,写真に見られるように,植林地の周囲に残された放置林に生育したアカシアにはシロアリによる食害が見られたことから,潜在的な被害の可能性はあると思われた。残念ながら,本調査地について諸般の事情によって本調査を実施することができなかった。( )100 m1 m1 m5 m 5 m 5 m 5 mA-1 A-2 A-19 A-20B-1 B-2 B-19 B-20図シロアリ相の調査方法(ベルトトランセクト法)。の小区画(図ではとの区画)を人が分で調査写真シロアリ調査の後に出現するトランセクト道。一番手前はマレーシア理科大学教授