ブックタイトルしろありNo.154

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しろありNo.154

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概要

しろありNo.154

ネジの先端ほどを針状にヤスリで研磨し尖らせた。その際,針先が直径程度の半円形となるように整えた。これで,腐朽診断具の完成である。なお,繰り返しになるが,作製法の詳細は前述のウェブページに懇切丁寧に記載されており,ぜひ参考にして欲しい。この診断具を木材に適用するには,診断具を測定する木材の表面に直角にあて,診断具先端にほど露出する針が木材中へ侵入するように押し込む。もし,腐朽し表面が弱くなっていれば,測定値はへと近づくであろう。その際の針の侵入深さはへと近づく。一方,もし腐朽しておらず硬度が落ちていなければ,測定値はに近づき,針の侵入深さは浅くなるであろう。腐朽診断具はこのようにして使用する。ここでは,ここではバネ定数(バネ弱)と(バネ強)のつの簡易デュロメーター型腐朽診断器について報告する。バネ定数とはバネを延び縮める際に必要となる力の大小と思うことにしよう。つまり,バネ定数が大きい腐朽診断具は,より強い力で木材表面に針を押し付けて使用することになり,バネ定数の小さい方の診断具では,より弱い力で針先を木材へ押し込むことになる。未腐朽材への適用つの診断具の有用性を検討するために,まず鉄板に適用してみた。これは極めて硬く,試料への針のめり込みが全くない場合の情報を得るためである。測定は各回行った。結果は,バネ弱の診断具で(測定値のバラツキを示す標準偏差) ,バネ強の診断具で( 後の数値は標準偏差) のゲージ測定値を示した。つまり,針が全く試料にめり込まない場合,バネ弱と強の診断具は,ともにアルミの外筒から突き出た約ほど引っ込み,その分メーターが動くことになる。測定に際しての,誤差(データのバラツキ)はきわめて小さいものであった。鉄より柔らかい試料の場合,試料面には診断具の針先がバネの力によってめり込むように働く。したがって,この診断具を用いれば,表面から程度の深さまでの木材の硬度を測定できるとともに,この硬度が腐朽の進行に伴い低下する程度を測定できる可能性がある。次に,木材には辺材と心材(シタラとアカミ),早材と晩材(年輪内で色の薄い部分と濃い部分)の別があり,それぞれ硬度が異なることが考えられる。つまり,製作した診断具を実際に使用する場合,例えば診断具の針先を晩材部へ突き刺した後に早材部を突き刺すと,早材は柔らかいので,腐朽していると誤って判断してしまう可能性がある。そこで,診断具を健全な木材のさまざまな部位に用いて,部位間の違いに関する情報を得ることを試みた。結果を図に示す。未腐朽スギ材の各部分への適用を試みた。測定は,各部位に対して回行った平均値を示している。まず,スギ材について見ると,バネ弱の診断具では早材と晩材間に差が認められ,晩材の方が硬いという( )?????? ?? ?????? ????????????????????????????????????????????????????????図バネ弱診断具による未腐朽スギ材の測定図バネ強診断具による未腐朽スギ材の測定写真完成した診断具