ブックタイトルしろありNo.154

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しろありNo.154

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概要

しろありNo.154

リスクアニマルであることが推察された。世界で頻発している海棲哺乳動物の集団座礁,ウイルス感染,奇形などの異常(写真, 参照)と化学汚染の関連性を究明する研究が今後の重要課題であろう。汚染の推移と将来予測愛媛大学沿岸環境科学研究センターの生物環境試料バンク( )(写真, 参照)には,過去半世紀にわたり世界各地から収集した約種類, 万点の生物試料・環境試料が冷凍保存されている)。保有する試料の種類と数の膨大さ,半世紀におよぶ採取期間と地球規模での広がりをもつ採取地域等の点において,当は世界を凌駕する施設として評価され,ここに保管されているアザラシ,オットセイ,鯨類などの試料を活用して,地球規模での海洋汚染の広がりや過去の汚染の復元・将来予測,リスク評価などの研究が実施されている。これまでの研究により,陸域の汚染は経年的に減少しているが,外洋や南極など遠隔地の汚染はほとんど低減していないことが判明した)。また,日本沿岸で採取されたスジイルカの保存試料を用いて,今なお使用が続いている有機臭素系難燃剤( や)汚染の経年変化を調べたところ,年代以降濃度の横ばい状態がみられる既存の( や)と異なり,これら候補物質の汚染レベルは上昇傾向を示した(図))。こうした過去の汚染の復元は,海洋生態系におけるおよびその候補物質の暴露と影響が今後しばらく続くことを暗示しており,モニタリング調査の( )写真カズハゴンドウのストランディング(集団座礁)。撮影早野あずさ写真イルカの尾ひれの奇形(忍び寄る化学汚染のリスク?)写真愛媛大学の生物環境試料バンク( )写真の冷凍室(約, )