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しろありNo.155

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概要

しろありNo.155

( 18 )業務を行う耐震診断士や,それらの業務を受託する事業者を登録する制度を設けており,平成22年7月末までに,耐震診断士を499名,建築士事務所を195件,工務店を222件の登録をしている。3. 事業の実績 木造住宅耐震化促進事業の実績については,平成22年3月末までに,6,445棟の耐震診断を実施している。耐震改修工事は,平成17年度の10棟からスタートし,平成18年度に63棟,平成19年度に86棟と,二桁で推移していたが,平成20年度に296棟と大幅に増加し,平成21年度は314棟と年々実績を伸ばしており,平成22年3月末までに769棟を実施している(図2)。 平成20年度から耐震改修工事の実績が増加した要因として次の二点が考えられる。一つは,耐震改修設計に要する費用の一部を補助する制度の創設により,耐震改修に積極的に取り組む建築士事務所が現れたことである。耐震改修設計は,住宅の調査,耐震性能の評価など,構造に関する専門知識が要求され,かつ,建築士法の規定により建築士事務所でなければ行うことができない業務であり,積極的にかかわる建築士事務所の出現は効果絶大であった。 残りの一つは,耐震改修工事を安価に,かつ,短期間に実施できるようになり,住宅所有者の負担が軽減されたことである。居住しながらの耐震改修工事では,2週間以内に完了することが負担軽減の重要な要素である。なお,耐震化コストについては,後で詳しく述べる。4. 今後の課題と取り組み 住宅の耐震化の主な阻害要因として,1. 耐震化の必要性に関する認識,2. 耐震化コスト,3. 業者・工法等に対する信頼性の三つであることが明らかとなっている(国土交通省政策レビュー結果(評価書)?住宅・建築物の耐震化の促進?(H21))。住宅の耐震化を促進するためには,これらの阻害要因を考慮した取り組みが必要である。4.1 耐震化の必要性に関する認識 住宅の耐震化は,住宅所有者が耐震改修の必要性を認識することからスタートする。そこで,厳しく制限していた当事業に関する営業活動について,平成19年度から,住宅の耐震化の豊富な知識を有する耐震診断士及び登録事業者が住宅所有者に直接的にアプローチできるように緩和して,行政が実施する耐震相談や啓発活動と,地域に密着した事業者の活力とを合わせた取り組みを行っている。 たとえば,地域に密着している事業者の強みを活かした取り組みとして,補助事業を利用して耐震改修工事をしていることを示す?のぼり旗? の無料配布を行っている。耐震改修工事のほとんどが地域の工務店により実施されているが,住宅の内部から補強する工法では,工事を行っていることがわからない場合が多い。一方,看板を掲げた工事現場では,近隣の住民から工事に関する問い合わせがあるなど関心の高さが伺える。そこで,補助事業をPR する?のぼり旗? を工事現場に掲げて,クチコミによる耐震改修工事への関心の高まりと広がりを期待している。4.2 耐震化コスト 耐震化コストの問題として,第一に挙げられるのが住宅所有者の負担額の多さである。このことについては,最近の実績では状況に変化が見られる。県内の実績の平均工事費は,平成18年度が273万円,平成19年度が235万円,平成20年度が209万円,平成21年度が170万円と年々安価になっている。平成21年度末の集計では,100万円未満の耐震改修工事が全体の約3分の1を占め,補助金の60万円を差し引くと個人負担は40万円未満となる。これは,耐震改修工事の実務経験を重ねることで,職人が新たな分野である耐震改修工事の仕事を覚え,無駄な作業が減少し,施工要領が良くなったことに加えて,この経験を活かした補強方法として,既存の壁を活用し???????????????????????????????????????????????? ?????? ?????? ?????? ????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????図2 年度別の耐震改修の実績と工事金額