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しろありNo.155

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概要

しろありNo.155

( 35 )な仕様を以下に列記する。① 白蟻被害があった場合のみドリルによる薬剤の穿孔注入処理を行う。(ただし穿孔を行う場合は事前に協議が必要)② 既存床組部材の塗装可能な範囲に油剤および水溶性薬剤を塗布し,防腐・防蟻処理を行う。③ 床下全面に乳剤および水溶性薬剤を用い土壌処理を行う。④ 使用薬剤は,?文化財虫害研究所の認定薬剤とする。 長崎の教会群は国または県の重要文化財であり,使用薬剤には文化財への対応として,?文化財虫害研究所の認定が条件となった。 その他の施工方法については白対協の標準仕様書が基準とされた。8.3 大浦天主堂施工事例 長崎市の国宝・大浦天主堂の白蟻予防工事を紹介する。1) 大浦天主堂の概要 大浦天主堂の概要を説明する。大浦天主堂は,現存する日本最古の教会建築であり,1864年,フランス人神父フューレ・プチジャンの指導により南山手外国人居留地に建立された。劇的な信徒発見の舞台となった教会である。また日本26聖人に捧げられた教会で,フランス寺とも呼ばれた。1879年に改築が行われた。大浦天主堂の外観を写真5~6に示す。2) 大浦天主堂施工の注意点 施工の注意点を示す。① 大浦天主堂は全国的にも有名な観光地であり,観光客への配慮として,立ち入り禁止等の標識等を設け,施工を行った。② 大浦天主堂は,貴重な文化財であり,建物に傷をつけないように細心の注意を払い,予防施工を行った。③ 観光地であることを配慮し,施工期間を短くするため,支所会員の応援を求め,大勢で施工を行った。 経験豊富な支所会員の連携協力により,トラブルもなく,確実な施工が行われた。3) 大浦天主堂施工状況 大浦天主堂の工事状況を以下に示す。① 作業場所の立ち入り禁止区域設定状況を写真7に示す。カラーコーンを設置し,施工場所へNo 名 称所在地 指定等1 大浦天主堂長崎市 国宝2 旧羅典神学校長崎市 国重要文化財3 旧大司教館長崎市 未指定4 旧伝道師学校跡長崎市 未指定5 鰯網工場長崎市 国重要文化財6 出津教会長崎市 県重要文化財7 黒島天主堂佐世保市 国重要文化財8 田平天主堂平戸市 国重要文化財9 宝亀教会平戸市 県重要文化財10 旧野首教会小値賀町 県重要文化財11 江上天主堂五島市 国重要文化財12 旧五輪教会堂五島市 国重要文化財13 堂崎教会五島市 県重要文化財表1 事業対象建物一覧写真5 大浦天主堂正面外観写真6 大浦天主堂屋根構造外観