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しろありNo.156

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しろありNo.156

?報 文? ジョグジャカルタの王宮型および住居型ジョグロ建築のシロアリ被害調査簗瀬 佳之1)・森  拓郎2)・土居 修一3) ( 7 )しろあり No. 156, pp.7―12. 2011年7月1. はじめに 世界中どの地域においても生存基盤として最も重要とされるもののひとつに?住? があげられる。これは,掘っ立て小屋からきちんと設計された住宅や集合住宅まで様々である。インドネシアでは,それほど多くの木造建築物があるわけではないが,今後の資源利用を考えると大いに発展する分野といえる。そこで,本調査では,インドネシアのジョグジャカルタで発達した?ジョグロ? といわれる形式の木造建築物を対象として,王宮及び住宅の建築を取り上げ,これら木造建築物における生物劣化被害について調査することを目的とした。ジョグロ建築は,インドネシアの伝統的建築物を支え,長年用いられてきた技術であるため,今後のインドネシアの建築を支える技術にも発展しうると考えてのことである。ただし,用いられている材料は耐久性が比較的高く,高価なチーク材であるため,一般住宅への適用を考える上では,材料としてのさらなる検討が必要である。本調査では,5つの王宮の建築物,また6棟3軒の住宅,計11棟のジョグロ建築物を対象にシロアリおよび腐朽による生物劣化の調査を実施した。2. 調査方法 写真1,2に示すようなジョグロ建築を調査対象とした。ここで,ジョグロ建築について説明すると,王宮型のジョグロ建築(写真1)では大規模な建物が単体で建設されているのに対し,住宅型(写真2)では客間用のゲストハウスと実際に生活している母屋とが対になって建設されているところが大きく異なっている。また,住宅型の母屋については現在の住まい手に合わせて,土間がなくなっていたり,部材が完全にコンクリートで覆われていたりするものがあり,様々な状態になっていた。ただし,コンク写真1 王宮型ジョグロ建築