ブックタイトルしろありNo.156

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しろありNo.156

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概要

しろありNo.156

( 10 )ついての相関はみられなかった。4年前に新築された王宮型のジョグロでは,チーク材が十分乾燥されてなかったためか,比較的含水率の高い部材が散見された。しかし,シロアリや腐朽による被害はほとんどみられず,チークの耐久性の低下に伴ってこれらの被害が起こるのか,環境によって起こるのかについては判断できなかった。これらの課題については,今後検討していきたいと考えている。 本調査で確認されたシロアリ被害は,被害状況や虫糞の堆積から判断して乾材シロアリによるものであると推測したが(写真5),調査対象の建築物内ではシロアリの生息を確認することはできなかったため,種の同定には至らなかった。王宮周辺の木材中から,Cryptotermes 属であろう職蟻が数頭見つかり,被害の傾向や虫糞から,おそらく王宮の被害もこの乾材シロアリによるものであると推測した。今回の調査全体を通して,王宮や住宅に使用される木材や周辺の樹木等で地下シロアリの被害や蟻道などは全く見られず,ジョグロ建築物に対するシロアリ被害は乾材シロアリによるものだけであった。 次に,住宅型のジョグロについて,図2に建物(Guest House)の柱配置図を,計測した各柱の含水率と超音波伝搬速度を表2に示す。ここで,表中の?下部? と?中部? と?上部? は,先ほどと同様に柱の計測位置を示し,それぞれ脚部から約300㎜,1,200㎜,1,800㎜の位置とした。写真4 シロアリおよび腐朽による屋根材の被害写真5 乾材シロアリによる柱の被害と虫糞の堆積