ブックタイトルしろありNo.156

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しろありNo.156

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概要

しろありNo.156

( 3 )て1.8時間,クロクサアリに対して5.6時間であった。ネオニコチノイド系チアメトキサム,イミダクロプリド,クロチアニジン3種の6時間後までの仰転率はいずれも低く,3種薬剤とも0%に近く,即効力はなかった。24時間後の死亡率が両供試虫に対して50%を超えたのはチアメトキサムだけであり,イミダクロプリドはクロクサアリに対して62%であった。クロチアニジンは両供試虫に対してほとんど仰転効果が見られなかった。有機ケイ素系シラフルオフェンは効果の出現が遅く,6時間後でトビイロケアリに対して96%,クロクサアリに対して100%の仰転率であったが,24時間後の死亡率はそれぞれ54%と86%となり,蘇生する個体が確認された。 各区に滞留した供試虫の構成率の時間経過にともなう変化を図2に示した。無処理は両供試虫ともに投入後の混乱は全くなく,ただちに通路の往来を始め,30分以内にトビイロケアリは主に通路区に(写真1),クロクサアリは通路区と餌場区に滞留してコロニーを形成し,以後の移動はわずかとなった。それに対して,フェニトロチオン,ビフェントリンとシラフルオフェンは両供試虫ともに終始活発に動きまわり,通路区に滞留することはなかった。特にピレスロイド系ビフェントリンに対する両供試虫の動きは激しくパニック状態であった。反対にネオニコチノイド系チアメトキサム,イミダクロプリドとクロチアニジンに対する両供試虫の動きは緩慢で,ほとんど無処理と変わらなかった。特に,イミダク表1 トビイロケアリに対する仰転率とKT50 値薬剤名1区の供試数仰転率%(時間*)KT50時間24時間後の死亡率(%)0.5 1 2 3 6無処理10 0 0  0  0  0 >360  2フェニトロチオン10 28 86 100 100 100  42 100ビフェントリン10 10 36 68 76 100  108 96チアメトキサム10 0 0  0  2  8 >360 92イミダクロプリド10 0 0  0  0  2 >360 48クロチアニジン10 0 0  0  0  0 >360  4シラフルオフェン10 0 0  2 94 96 >168 54*1区10 個体5反復の平均値表2 クロクサアリに対する仰転率とKT50 値薬剤名1区の供試数仰転率%(時間*)KT50時間24時間後の死亡率(%)0.5 1 2 3 6無処理10 0 0 0  0  0 >360  2フェニトロチオン10 0 48 98 100 100  108 100ビフェントリン10 8 2 12 30 54  336 80チアメトキサム10 0 0 0  2  4 >360 54イミダクロプリド10 0 0 0  0  2 >360 62クロチアニジン10 0 0 0  0  0 >360  0シラフルオフェン10 0 0 0 70 100  168 86*1区10 個体5反復の平均値写真1 無処理通路区に集合するトビイロケアリ