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しろありNo.157

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しろありNo.157

( 7 )4. 施工方法の確認4.1 宮崎県における当時の施工方法 宮崎県における昭和50年代後半の白蟻防除施工方法を示す。当時は柱が地面に接するなど家屋構造が粗野な家が残存し,ヤマトシロアリの被害が急増,防除業者も急増した時代であった。防除業者は,協会員を主とし白蟻駆除と新築予防を行う施工グループと,訪問勧誘を主とし,既築家屋の予防を行う施工グループに分かれていた。当時の宮崎県では,この訪問勧誘をする施工グループが営業勧誘目的として,建物外周土壌への薬剤加圧注入を積極的に行っていた。① 協会員を主とする施工グループ 白蟻駆除の技術を有し,白蟻駆除と新築予防を主として営業し,施工を行っていた。(当時の一般的な施工方法) 床下薬剤散布+基礎外周立ち上がり部薬剤散布② 訪問勧誘を主とする施工グループ 宮崎県では,当時,白蟻施工を専業とする大手訪問勧誘業者はまだ進出しておらず,アルミ製テラス,屋根塗装などを勧誘する建築関係訪問販売業者が白蟻予防も勧誘していた。営業員の白蟻工事に関する知識は乏しく,白蟻施工は全て下請け業者に外注していた。下請けの白蟻防除業者も白蟻防除の技術に乏しく,開業間もない業者が殆どであった。この様に訪問販売業者は,技術が乏しいにも関わらず,宮崎県のK商事は,特異な営業方法により,白蟻工事の売上を急増させていた。当時のK商事の営業方法と施工内容を示す。写真5にK商事が用いた土壌加圧注入器の写真を示す。(K商事営業方法) 農村部の高齢者を対象に,白蟻工事は建物外周土壌への薬剤加圧注入が必要との営業を行う。土壌加圧注入の見学会,デモ施工を行う(不必要な施工の推奨勧誘)。本営業により,K商事の白蟻受注は急増し,K商事の施工件数も増加した。(K商事施工方法) 床下薬剤散布+基礎外周立ち上がり部薬剤散布+建物外周土壌への薬剤加圧注入(不必要な施工方法実施)4.2 地下水汚染発生地区の施工業者 地下水汚染が発生した各地区について,施工を行った業者を示す。3地区はK商事が施工しており,1地区はK商事の営業を模倣した業者の施工であった。① 延岡市川島町  K商事の下請Y防除士施工② 延岡市高野町  K商事の下請Y防除士施工③ 串間市宮浦   K商事の施工④ 延岡市稲葉崎町 Y産業の施工          (K商事廃業後,営業を模倣)4.3 汚染発生地区での土壌加圧注入施工確認 地下水汚染発生4地区全てで,当時宮崎県で特異的に行われていた不必要な施工方法,建物外周土壌への加圧注入処理が行われたことを確認した。その確認資料を示す。① 延岡市川島町 建物外周土壌の加圧注入処理施工確認。 平成23年施工家屋を訪問,工事内容の聞き取りを行う。施主から,汚染は建物外周土壌への加圧注入が原因であるとの説明受ける。また,土間コンクリートに薬剤を注入した穿孔穴も確認した。② 延岡市高野町 建物外周土壌の加圧注入処理施工確認。 昭和57年12月の社団法人日本しろあり対策協会宮崎県支所の?M氏宅シロアリ駆除工事実施状況調査書? に,地下水汚染は建物外周の土壌加圧注入が原因と記載されていることを確認。同工法の蔓延は地下水汚染を招くと,同工法の危険性も指摘していた。③ 串間市宮浦 建物外周土壌の加圧注入処理施工確認。写真5 土壌加圧注入器 K商事の工事請負契約書写しに記載されたイン