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しろありNo.157

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しろありNo.157

( 8 )ジェクター処理の記述を確認した。④ 延岡市稲葉崎町 建物外周土壌の加圧注入処理施工確認。 昭和62年5月17日の社団法人日本しろあり対策協会宮崎県支所の?延岡市稲葉崎町クロルデン汚染調査報告書? に記載された,建物外周土壌へ1m間隔に穿孔掘削注入の記述を確認した。5. 白蟻薬剤による地下水汚染の原因 宮崎県延岡市,串間市の地下水汚染は以下に示す理由から,宮崎県で訪問勧誘業者が当時行っていた不必要な施工方法?建物外周土壌への薬剤加圧注入?が原因と判断する。宮崎県の山林部土質は軟盤岩が多く,宅地造成に使われる土壌もレキが多く,水分が吸着されにくい土質である。地下水汚染は,この様な土壌に加圧注入された白蟻薬剤が土壌に吸着されることなく,地下水系に流入したことが原因と判断される。図6に,土壌加圧注入による井戸水汚染のイメージを示す。5.1 宮崎県支所による延岡市高野町の調査報告書 昭和57年12月の社団法人日本しろあり対策協会九州支部宮崎県支所 有賀泰平,児玉勝,金丸正実氏による?M氏宅シロアリ駆除工事実施状況調査書?に記載の七.結論を紹介する。(宮崎県支所 調査書 七.結論) 前記の様な状況でしろあり防除施工士は基礎知識と業務基準や防除処理標準仕様書を良く理解して工事処理していたら此の事故は防ぐ事ができたのではないかと思考する。反面我々は見過ごす事の出来ない事実として訪問販売業者が売る為の販売の手段として勝部記者(宮崎日日新聞),木村課長(ベルシコール社)にK商事の社長が語った様な薬剤を家屋外に必要でもないのに散布するだけでなくインジェクターする事実だと思う。此れに依りシロアリ防除を知らない人々に工事を丁寧に最大なるサービスをした如く見せる商業の為の欺瞞工事は環境汚染のたれ流しとなり,今回の如きなんの関係のない住民を被害者に巻き添えした,施工方法が元兇とも考えられる。此の施工方法が他の訪問販売業者にも行われて営業の強力な手段としている。今後も続けられるだけでなく蔓延する可能性さえあると考えられる。その様な状態になったら河川および地下水を汚染して大変な事になると思う。 以上,昭和57年12月宮崎県支所は調査報告書で,延岡市高野町の地下水汚染は不必要な工法,建物外周土壌への加圧注入処理が原因と指摘したが,この調査報告書は公開されることはなかった。そのため,同工法による地下水汚染が昭和59年と昭和62年に発生した。調査書の指摘が生かされず,地下水汚染が発生し,住民の方に迷惑を掛けたことは,残念なことであり,業界として反省しなければならない。5.2 地下水汚染の汚染長期化要因について レキが多く水分を吸着しにくい土壌により造成された宅地などでは,建物外周土壌に白蟻薬剤を加圧注入すると,レキのすき間などに白蟻薬剤が注入され保持される。建物外周地面下に,あたかも薬剤タンクが形成された如く,注入された薬剤の全量に相当する薬剤槽が創出される。レキの部分が地下水の経路であれば,地下水に流入し,薬剤は下流側に移動する。延岡市高野町の汚染事例のように地下水路に沿い,汚染が拡大する。一方,地下水の移動が少ない場所では,注入された薬剤は揮散することはなく,いつまでも滞留し,僅かずつ移動する。延岡市稲葉崎町の汚染事例のように,汚染の長期化要因となる。地面下に滞留している薬剤の除去は不可能であり,時間の経過に委ねるしか方法はない。このよ図6 土壌加圧注入による井戸水汚染のイメージうな環境汚染を防止するには,レキ等への薬剤注入