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しろありNo.158

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概要

しろありNo.158

( 27 )載している。へい死魚事故が発生した場合,事故調査項目として「シロアリの駆除は行われてないか」を挙げている。過去,白蟻薬剤による事故が多発したことから,調査項目に掲げられている。業界は,過去白蟻薬剤による環境汚染事故を多発し,住民,行政に迷惑をかけたことを反省し,白蟻薬剤による環境汚染防止に努めなければならない。以下に,鹿児島県水産技術開発センターの広報誌「うしお」の記事を紹介する。はじめに 漁業権が設定されている河川等において,魚類の異常へい死が発生した場合,当センターでは魚病検査・ガスクロマトフ質量分析計による農薬類の有無についての分析を行い,発生原因の究明を行っている。魚類が異常なへい死を起こす原因としては,魚病・酸欠・有害物質の水域への注入などが挙げられるが,主な原因の一つと思われる“有害物質”も多種多様化している現在,へい死の原因を特定することは,非常に困難な状況となっているのが実状である。近年5カ年の分析結果を見てみても,30件中,農薬類の流入の疑いがあるものが8件,それ以外の22件が原因不明となっており,原因特定の困難さを示している。魚類のへい死原因を特定するためには・・ 有害物質が多用多種化している現在,どのようにしたら,へい死原因を特定することができるのかを考えたときに,最も確立が高いのは分析云々では無くて,発生直後に現場を詳しく調査する事だと考える。答えは現場にある!! 河川で魚がへい死する原因は,前にも述べたが,魚病,酸欠,有害物質等の水域への流入が考えられるが,限定された区域で魚が大量に死んでいる場合は有害物質の流入(農薬系薬剤,塩素系薬剤など)を疑って良いと思う。まずは,早急に発生場所に赴き,河川水・へい死魚を回収するとともに,以下の観点から現場周辺の調査を実施することが必要と思われる。・現場周辺で異臭はしないか?・化学薬品を使用する工場はないか?→排水処理施設の異常・病院,食品加工・製造工場はないか? →清掃・消毒作業による塩素系薬剤の流入・周辺で農薬の散布の実施はなかったか?・シロアリの駆除は行われていないか?・プールの清掃が行われていないか? おおよその場合は,薬剤や機械類の取扱の不注意により,規定濃度以上の有害物質が河川へ流れ出た可能性が浮上してくる。発生直後であればあるほど,何かしらの情報=答えが得られるはずである。いずれにしても,上記のような調査を実施する場合は,県・市町村の環境担当課や場合によっては警察と一緒になって聴き取り等の調査を実施する必要がある。最後に 魚類の異常へい死は環境変化の指標の一つにしか過ぎず,有害物質の流入は水道水の汚染にもつながる恐れもある。これらの原因の究明には環境的側面による検証や事件性の有無の判断が必要であり,それらの前段階として,魚病の有無の判断を行うのが水産サイドの役割ではないか?と思う今日この頃である。(漁場環境部 村田)6.環境汚染防止に向けた協会の取組 社団法人日本しろあり対策協会は,昭和61年9月,白蟻薬剤による環境流出および流出事故の対策として,建物外周の土壌処理は原則行わないことと,使用薬剤量を削減することとし,防除施工標準仕様書を改正した。協会の仕様書変更に伴い,建設省住宅局は昭和61年10月に技術基準を,住宅金融公庫は昭和62年に木造住宅共通仕様書を改正し,土壌処理は布基礎内部の処置に限定した。この土壌処理の箇所を建物基礎内部とする規定は,それぞれの機関で現在も維持されている。1)昭和61年 協会の取組 ・建物外周の土壌処理は原則行わないこととする