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しろありNo.158

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概要

しろありNo.158

( 35 )けた。 合計17のコロニーは,氾濫の前後に,浸水した地域に存在した(表2)。 17のコロニーのうち,14の洪水後サンプルの遺伝子型のプロフィールは,氾濫の前に採取したコロニーとマッチした。3つの洪水後のサンプルコロニー(それぞれは,全米スタジアム,第7ポンプ場とルイアームストロング公園)の遺伝子型のプロフィールはハリケーン・カトリーナ来襲前のものとは異なると確認された。 パンアメリカンスタジアムにほど近い樹木の地中設置型モニタリング・ステーションから採取したシロアリは,水没したステーションに集まっているイエシロアリとは別のコロニーであった。 全米スタジアムの建物から採取したイエシロアリは水没したステーションに集まったコロニーの1つに属していた。 対数尤度比統計量-G 統計(それぞれの遺伝子座における尤度の総和をもとにした,有意水準P が0.05以下のG- 統計)は示した氾濫より前の浸水するサイトの17のコロニーの8つが単一家族コロニー(一つの番の生殖虫がいる)であり,9つは複合家族コロニー(複数の番の生殖虫がいる)であった。 氾濫の後,浸水した場所に6つの単一家族コロニーと11の複合家族コロニーがあった。 公園とその遊歩道と南道路の1つのコロニーの繁殖構造は,氾濫の前の単一家族コロニーから氾濫の後に複合家族コロニーへと変わった。前もって指摘されていなかった3つのコロニーは,1つの単一家族コロニーと2つの複合家族コロニーであった。考 察 17の内14(82%)の水没したコロニーの遺伝子型のプロフィールが氾濫の前にモニタリング・ステーションを占拠しているコロニーと同じだったことから,これらのイエシロアリのコロニーが長期間にわたる洪水(最高14日)を生き残ったと結論することができる。 長期間にわたる長雨によって飽和した土の状況によって,採餌するイエシロアリの頭数は大幅に減少するとの仮説がある(Forschler and Henderson1995)。 現在の研究においては,イエシロアリのコロニーの採餌個体数の死亡率はわかっていないが,結果はコロニーレベルで高い生存率を示す。この研究において使われるサンプルは,2006年に洪水の後1年以内のスオームする前に集められたものである。従って,有翅虫からの一次生殖虫が造ったまだ成熟期に達していない初期コロニーが洪水の前にモニタリング・ステーションに存在することはあり得なかった。イエシロアリのコロニーの居た場所が処理や環境の変化によって妨げられた時には彼らは採餌場所を変更し,近くのモニタリング・ステーションへ素早く移動することを示した(Aluko and Husseneder2007 Aluko とHusseneder 2007)。このことは,イエシロアリのコロニーは処理によって駆除された時は,近隣のコロニーは駆除されたコロニーの採餌領域へすぐに移動する(Husseneder et al. 2007)。ハリケーン・カトリーナの後の洪水は,長期間に亘る水没より土壌環境の変化を引き起こしていた。 この環境の変化は洪水の前に確認されないこれらの3つのコロニーの洪水後に発見されたのは,近隣の地域からモニタリング・ステーションへ移動したことに起因すると考えられる。例え,3つのコロニーの移動があったとは言え,イエシロアリの採餌行動していた領域のすべてはハリケーン・カトリーナの後に大幅な変化はなかった(Cornelius et al. 2007,表2.洪水の前と後に生き残ったコロニーとコロニーの変化試験地の名称 洪水前総数33511241201021004192330120011435112412110200040733311201143251023117110010104単一家族複合家族総数単一家族複合家族変化無し変化有り洪水後フレンチマーケットパンアメリカンスタジアムオールドベイヨウメタイリエ公園と遊歩道ポンプ場 No.7タッドゴームレイスタジアムルイアームストロング公園サウスゴルフコース合計