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しろありNo.159

TERMITE JOURNAL 2013.1 No.159 41④ 平成22年より(社)日本しろあり対策協会の事業計画の重要事項として, この文化財(建築物)蟻害・腐朽検査制度が取り入れられた。翌年より全国8支部で蟻害・腐朽検査が行われるようになった。⑤ 文化財建造物の蟻害腐朽検査マニュアルが平成23年5月同協会より発行される。⑥ 平成24年度静岡県支部で累計25箇所の文化財の検査を行うまでになった。(図1)実際の棟数はその倍を超える。3. 検査対象建物の募集から検査実施までの流れ1)検査対象建物の募集  静岡県教育委員会文化財保護課長名で検査希望物件の募集文書を各市町村の教育委員会文化財保護担当課まで送る。(図2)2)検査対象建物の選定  静岡県支部で依頼のあった希望物件の中から県内の東・中・西部それぞれの地区から原則的には各1棟づつを選ぶ。3)検査対象建物の事前調査及び準備   検査実施2~3週間前に検査対象建物にリーダー(報告書作成者)が出向き, 敷地状況, 建物周辺の事前調査(白蟻の生息など), 建物の大きさ,構造, 床下進入口の有無, 床下の進入不可箇所の確認(必要であれば事前に点検口などを作ってもらう)など事前に調べておく必要がある。また, 平図面は必ずは事前に入手しておく必要がある。事前調査の時その平図面と現地の建物を比較し平図面と同じか必ず確認する事。文化財(建築物)の平面図は制作されてから相当年数が経ている場合があり, その間に図面を作り直さず改修工事や増築されている事もある。平図面と実際の建物が違う箇所が有ってもその事が判明するのは今までの経験から観て報告書を作り始めてからである。特に建物が大きく数グループに分にけた検査の場合は写真撮影された位置などを全体図面に記入して行くと微妙に不自然な箇所が出てきたり, 撮影してない箇所があるなど正確な報告書を作ることが出来なくなるので注意が必要である。また建物の所有者に図面を見てもらい, 過去の改修工事や増築について詳細にわたり聞き取り調査を行い, できるだけ検査当日には建物全体の床下を正確に検査ができるようにしておく必要がある。  特に建物が大きく複数人数での検査の場合は,検査当日までに正確な平図面を基に検査員を1グループ当たり2~3名づつに分け, 各班の検査範囲の割り当てを図面上にマーカーで色分けして決めておく事, カメラは各班1台とし所見記入担当者など事前に決めておく必要がある。4)会員への事前通達 ・検査場所, 集合時間 ・検査要領, 持参する物(図3) ・蟻害・腐朽検査報告書作成要領(参考)(図4) ・「文化財建造物の蟻害腐朽検査マニュアル」の8.報 告書の作成要領の事前確認の通達書  (上記4つの資料を事前に郵送)5)検査当日 ・ミーティング ・平図面を検査員に渡し検査箇所の説明 ・「文化財建造物の蟻害腐朽検査マニュアル」の8.報告書の作成要領と蟻害・腐朽検査報告書作成要領参考)などに基づいた注意事項の説明図2 教育委員会への依頼文書