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しろありNo.160

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概要

しろありNo.160

Termi te Journal 2013.7 No.160 23写真4 E8の柱脚部の腐朽と蟻害写真6 BC10.5の地際部(宙吊り状態)写真5 A4の柱脚部(局所的に劣化)ピロディン診断及びレジストグラフ診断を行うと, 木表1 外周壁柱脚部の一次診断及びピロディン診断の結果材に直径3㎜程度の孔があくので, 診断後は全ての孔に油溶性防腐・防蟻剤を噴霧した。6.点検結果及び考察6.1 一次診断の結果 1)建物の変形や傾き 目視で点検した範囲内では建物に変形や傾きは認められなかった。後述するように東及び北の外周壁には顕著な腐朽・蟻害が認められたが, 建物の鉛直性は現在も維持されていた。小屋組みに関して, ホール中央部にある湾曲集成材の突き当り部(棟の部分)は長年の使用によって垂下の兆候が認められた(根拠:突き当っている集成材の下部がやや開き加減)が, 異常と見做せるレベルではなかった。構造部材に異常な変形や折損も認められなかった。2)接合部のズレや間隙の有無, メインフレームの脚部はプレート金具を介して基礎に固定されているが, 異常を示す箇所は発見されなかった。他の通し柱, 管柱も同様であった。もちろん,部材の脱落もなかった。ただし, 北側外周壁に存在する「筋交い」には, 若干のがたつきが認められた。3)集成材の接着剥離や干割れ:全般的に集成材表層部に微小な縦割れ(干割れ)が認められた。しかし,集成材の接着剥離はほとんど認められなかった。4)腐朽の痕跡や蟻道の有無①柱の基部:柱の基部には, しばしば腐朽・蟻害の痕跡が認められた(写真4)。外周壁にある全ての柱の観察結果は, ピロディン診断結果と併せて表1に示した。それによると, 調査した外周壁の柱38本のうち健