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しろありNo.160

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概要

しろありNo.160

24 T e r m i t e J o u r n a l 2 0 1 3 . 7 N o . 1 6 0全と判断された柱は15本(約40%)であり, それ以外の柱(約60%)には腐朽または蟻害, 腐朽及び蟻害の痕跡が認められた。 全体的な傾向としては, 西及び南の外周壁の柱は健全なものが多く, 東及び北の外周壁の柱は劣化したものが多かった。外周壁の柱のうち60%に何らかの劣化が認められたという事実は, 重く受け止めるべきであろう。なお, E9について1階の内壁面を観察したところ, 激しい漏水痕とともに板壁の隙間に蟻土が発見された。したがって, この壁内でシロアリが活動していることは明白である(写真7)。②積層梁:今回の診断は, 東側と北側の積層梁について視診及び打診によって実施した。その結果, 東側のE8では腐朽及び蟻害によって木部表面の部分的な剥離・脱落が観察された(写真8)。さらに, その上部にある管柱にも腐朽・蟻害の発生が認められた(写真9)。E9の積層梁にも, E8と同様の劣化が観察された。 北側の積層梁については視診では異常箇所を発見できなかった。しかし, 打診の結果, CD1において空洞音が発生し, 劣化の兆候を示した(この部位は, 後でレジストグラフ診断を実施)。それ以外の箇所では, 被害の兆候が認められなかった。写真7 E9室内側の壁面の様子    (激しい漏水痕と蟻土が存在)蟻土写真8 E8積層梁の劣化(表層部の一部脱落)写真9 E8積層梁の上部にある管柱(ここにも腐朽と蟻害が発生)