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しろありNo.160

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概要

しろありNo.160

30 T e r m i t e J o u r n a l 2 0 1 3 . 7 N o . 1 6 0であった。被害は東側と北側の外周壁において顕著で, 一部の箇所では劣化は基礎だけに留まらず1階と2階の境界部にある積層梁まで(E8は,さらに上部の管柱まで)拡大していた。蟻害と腐朽は現在も継続中と判断された。④ ピロディンによる二次診断の結果, 屋外に露出した木部の表層部は極めて不均一に劣化していた。土台との密着部・干割れ・ボルト穴付近で劣化が大きく, それ以外の部位では劣化が小であった。⑤ レジストグラフによって柱脚部を内部診断した結果, 西及び南の外周壁の柱の劣化レベルは「ほぼ健全?小」であった。東側の外周壁にある通し柱・管柱の脚部は屋外側から診断したとき, 劣化レベルは「ほぼ健全?小」であったが, E9について床下から診断したところ広範囲に劣化の兆候が認められた。コンクリートに埋め込まれた柱脚部の下端は劣化が大きくなっている可能性がある。北側の外周壁には, 屋外に幅広の筋交いが取り付けられていて, 流れ下る雨水が柱脚部に導かれる構造になっていた。このことも関与して, 他の壁面よりも激しい劣化を生じていた。とくに, D1は甚大な劣化を生じていた。⑥ 東と北の外周壁について積層梁をレジストグラフ診断した結果, E8, E9及びCD1(いずれも上下に管柱が存在する箇所)において甚大な劣化が生じていた。この原因は, 上部の管柱を流れ下る雨水が積層梁に侵入して滞留するためと推定された。 以上, 劣化は主に東及び北側の外周壁に発生していたので, その概要を図6に示した。図6 劣化の激しい箇所とその内容