ブックタイトルしろありNo.162

ページ
37/62

このページは しろありNo.162 の電子ブックに掲載されている37ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

しろありNo.162

34 T e r m i t e J o u r n a l 2 0 1 4 . 7 N o . 1 6 24. 結果と考察 ストレッサーごとにドーパミンとオクトパミンの分泌量に違うパターンの濃度変化が見られた。イエシロアリの脳内アミン分泌系において外部刺激に対する明瞭な生理応答が観察されたといえるだろう。 また, その分泌量の違いを検出することが可能なメソッドとなった。さらにデータを集めることでドーパミン, オクトパミンのみならず, 各アミンのイエシロアリ脳内での役割を解明していくことができるだろう。別のアミンを測定対象とした際の定量法の調整にも本研究のプロトコルが有用な情報となるはずである。 今後, 他生物のデータと比較することで類似性・特異性が判明すればさらに興味深いデータとなるはずである。5. 謝辞 LC/MS使用にあたって, 京都大学生存圏研究所の西村裕志博士にご指導ご助力を賜った。記して謝意を表す。引用文献1) Adomo, S. A. (2012): The effects of the stressresponse on immune function in invertebrates: Anevolutionary perspective on an ancient connection,Hormones and Behavior, 62, 324-330.2) Wada-Katsumata, A., R. Yamaoka, H. Aonuma(2011): Social interactions influence dopamine andoctopamine homeostasis in the brain of the antFormica japonica, Exper. Biol., 214, 1707-1713.(ng/brain) (Ratio) (Ratio)DopamineOctpamine(ng/sample)図2 分析対象の溶出時間図3 検量線図4 定量結果0.001.002.003.004.005.00無処理 振動 飢餓 隔離OADA