ブックタイトルしろありNo.162

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概要

しろありNo.162

4 T e r m i t e J o u r n a l 2 0 1 4 . 7 N o . 1 6 2(9)渡廊, 神饌所 渡廊は, 西側に石垣樹木があり, 湿気も多く, 外壁羽目板, 配付け垂木, 野地板には古いシバンムシの脱出口が確認できる。渡廊の床下は, 入る点検口もないため, 今回検査は実施していない。 土台の含水率は, 12.3%で, 付近に廃材が放置されている。ヤマトシロアリの被害に遭うと同時に, 建物にヤマトシロアリが加害するおそれがあるため, 早急に撤去する必要がある。 土台や基壇に藻類と腐朽が確認できる(写真9)。土台は腐朽が進んでいることから, 防腐薬剤処理対策が必要であると同時に, 土台は建築の専門家による診断が必要である。(10)楼門 漆塗により一見傷みなどは目立たないが, 基礎に近い部分にシロアリによる被害がみられた(写真10)。これは, 現在進行しているものではない。楼門前の建物には柱周りや軒天に, 雨漏りが原因と思われる激しい食害や腐朽がみられる。 裏の箒立てにもシロアリの食害が確認できた。(11)神厩 建物は, 床下部分はあるが侵入できず, 目視での調査となった。柱や建具にはシロアリやタマムシ類と思われる古い被害が確認できた(写真11)。 普段賽銭箱が置かれている正面が解放されているため, 通気性がよく, 含水率は14 ?15%と低い数値となっていた。(12)鼓楼 外部は, 平成の大改修により漆が塗り直され, 傷みはみられなかった。内部は床下に侵入することができ,古いシロアリの被害や穿孔注入処理の跡もみられた。 過去にはシバンムシ類, シロアリの食害があった様だが, 現状生息を確認することはできなかった(写真12)。 通気は決して良くない構造でありながら, 床下で計測した含水率は16%前後, 1階, 2階では14%台という低い数値だった。写真8 廟門の漆喰の隙間写真9 神饌所の土台に繁茂する藻類写真10 楼門における古いシロアリ被害写真11 神厩における古いシロアリ被害