ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

しろありNo.163

28 T e r m i t e J o u r n a l 2 0 1 5 . 1 N o . 1 6 3net/)を用いて行った。Audacity上でシロアリが材を一回かむ音は一本のピークと一致する。このピークのうち便宜的に定めた閾値(相対音圧0.8)以上のもののみカウントした(図2A)。活動音を定量した時刻は3時間毎に一日8点(18:00, 21:00, 0:00, 3:00, 6:00,9:00, 12:00, 15:00)設け, それぞれの時刻から60分間とした。巣の温度と巣のそばの気温を活動音の記録と同時にデータロガー(TR-71U, T&D)を用いて記録した。 統計解析はJMPソフトウェア(Ver. 8. 0, SASInstitute Inc.)を用いて行った。全データをプールして行った曲線回帰にはスプライン法7)を用い, λ値は80に設定した。3.結果 夏期(7-8月)におけるシロアリコロニーの活動は夜の後半(0:00 h, 3:00h)により多くの活動が見られた(図3A)。一方, 他の時期にはそのようなパターンは見られず, 冬期(12-1月)および春期(5-6月)には特に目立った時刻間による活動量の違いは見られなかった(図3CD)。しかしながら, 秋期(10-11月)には, 日中により多くの活動が見られた(図3B)。 ANOVAによる解析の結果, データ収集したすべ表1  ヤマトシロアリにおける野外コロニーの活動量に対する要因の分散分析結果   ***P < 0.001, **P < 0.01, *P < 0.05 文献11)より改変図3  材の中におけるシロアリ活動量の日内変化[(A)夏期(B)秋期(C)冬期(D)春期, (平均±標準偏差, n = 3-5)] 各パネルにおける実線の折れ線は巣の平均温度を示す。上側および下側の点線はそれぞれ巣の最高温度および最低温度を示す。文献11)より改変