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概要

しろありNo.163

40 T e r m i t e J o u r n a l 2 0 1 5 . 1 N o . 1 6 32)使用器具商品名:ピペットノズル(写真9)製造会社:環境機器㈱3)検出器商品名:AE検出器(写真10)  使用台数:12台製造会社:丸和バイオ㈱用  途: シロアリが木材をかじる時の微小な振動(AE波)を検出し, シロアリの生息を確認する。5.駆除工事1)工事実施日 駆除工事は, 工場の稼働に合わせ, 建物別に工事時期を調整し施工した(表1)。建物A・B・Cの工事日を以下に示す。建物Dの工事は調整中である。2)駆除作業手順 駆除作業は, 原則として被害部毎に3ヶ月の工期とし, 初回薬剤注入とAE検出器を用いた点検確認作業3回を行った。被害部に対し4回作業を行い, 被害のより確実な収束を目指した。 作業の手順を以下に示す。①初回(糞出孔探索, ムース注入)(写真11?18) a. 虫糞の落下位置から, 真上の部材について虫糞の排出孔(糞出孔)を捜す。 b. 糞出孔にピペットノズルを挿入しムースエアゾールで泡状の薬剤(ムース)を注入する。 c. ムースを注入しながら, 部材表面を観察し, 他所からのムース吐出を確認する。 d. 注入したムースによって職蟻, 生殖虫, 羽アリが生息場所から流され, 吐出部から押し出されることがある。吐出ムースを拭き取る際は虫体の有無確認も同時に行う。 e. 薬剤注入により発生したムース吐出部に, ピペットノズルを挿入し, 吐出部からもムースを注入する。 f. これらの作業を繰り返し, ムースを孔道, 被害部全体に行き渡らせる。 g. 注入後しばらくは, 注入部, 吐出部からムースが垂れてくるので不要なムースは拭き取る。 h. 注入部, 吐出部の近辺を慎重に観察し, 新たな糞出孔を探す。糞出孔を見つけたら, ムースを注入する。 i. 糞出孔が見つからない時は, 木材表面を千枚通しで触診し表面が柔らかいところを探す。表皮下が食害され, 表面が柔らかい箇所を見つけたら, 千枚通しで表皮に穴を開け, ピペットノズルを挿入し,ムースを注入する。 j. ムース注入箇所全てについて, 同一色の押しピンを刺し, ムース注入箇所目印とする。 k. 床面, 梁等の虫糞を掃除, 除去する。② 2回目(新たな糞落下個所の確認, AE検出器を用いた生息確認, ムースの追加注入)(写真19 ?20) a. 建物床面を調査し, 新たな虫糞の落下個所を確認する。新たな虫糞を見つけたら糞出孔を探し,ムースを注入する。新たなムース吐出部にムースを注入する。ムース注入部には, 前回と別な色の押しピンを目印として刺す。 b. 前回ムースを注入した部材毎に, 部材両端の注入部近辺に, ドリルで1.6mmの穴を開ける。穴の傍写真9 ピペットノズル写真10 AE検出器初回2回3回4回建物A 5/8 6/9 7/7 8/8建物B 8/26・27 9/24・25 10/28 11/26建物C 8/27 9/25 10/29 11/27表1  建物別工事日一覧