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概要

しろありNo.163

Termi te Journal 2015.1 No.163 432) ムースエアゾールの粘度は適度で, 流動性が良く,注入したムースが孔道沿いに1~2m先まで到達する。3) ムースが微圧で流動し, ムース吐出部では虫糞, 生殖虫が押し出されることもある。4) ピペットノズルは先端が細く, 糞出孔に密着挿入できるため, 注入部でのムース漏れが少なく作業が容易となる。5) ピペットノズルの延長チューブを使うことで, エアゾール本体が垂直に維持され, エアゾールからの泡出しが適切に保持される。7.AE検出器 AE検出器は15年前に販売されたが, センサーの固定が難しく駆除現場では余り活用されなかった。今回薬剤注入後の生息確認に, AE検出器を使用した要点を以下に示す。1) 使い易いセンサーホルダーを製作し, センサーの取り付けを容易にした(写真22)。  a. センサーホルダーをプラスティックとし, 小型軽量化した。  b. 木材にドリルで1.6mmの穴を開け, その穴にセンサーホルダーを挿入固定する様式とした。2) AE検出器を12台使用し, 同時測定することで総測定時間の短縮を図った。8.シロアリの種別によるAE発生数 シロアリの種別により, コロニーの個体数は異なる。当然, 木材を加害するシロアリの数も異なり, 単位時間当たりのAE発生数もシロアリの種別により異なる。アメリカカンザイシロアリとイエシロアリのAE発生数を表2に示す。写真23 採取した羽アリ写真22 センサーホルダーの構造9.AEの測定数と生息箇所数 建物AとCの駆除工事で行った測定数と生息箇所数を表3に示す。AE計測による生息確認と薬剤注入を繰り返すことで, 生息数の減少, 収束が図れる。10.羽アリの発生とせん孔箇所 駆除工事を行っていた平成26年9月25日午後4時,建物Aで, アメリカカンザイシロアリの群飛を確認した( 写真23)。羽アリは走光性があり, 倉庫内部から明るい入口の外に飛翔した。翌月, 羽アリが発生した建物Aについて,羽アリのせん孔箇所を調査した。羽アリのせん孔箇所の傾向を表4に示す。羽アリのせん孔箇所は, 継手部が多かった。種別アメリカカンザイシロアリイエシロアリ個体数10 ~ 201) 30万~ 100万集団数1~ 102) 単営巣AE発生数(10分計測) 5 ~ 60回百~1万回実施日9月10月総測定数134 157測定箇所数82 107生息箇所数14(17%) 9(8%)【6(7%)】AE発生数平均12 17AE発生数最大40 59【】は、前回発生箇所を示す表2  シロアリの種別によるAE発生数表3  AE測定数と生息箇所数継手部割れ目材表面合計53 4 17 7472% 5% 23% 100%表4 羽アリのせん孔箇所