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概要

しろありNo.163

46 T e r m i t e J o u r n a l 2 0 1 5 . 1 N o . 1 6 3① 床下点検ロボットの導入 (ア) PC モニタを見ながらコントローラーで簡単に遠隔操作が可能    →床下調査の負担軽減 (イ) 15cm までの段差を乗り越える, コンクリートは勿論, 土の上でも走行可能    →ほぼすべての家屋で対応可能 (ウ) 高性能カメラで広い視野範囲をカバー, 点検状況を静止画で保存可能    → 顧客と床下の状況を共有することが可能    様々な点検に活用できる    → 基礎のひび割れ, シロアリ被害, 水漏れ,土台の腐食, コンクリートの剥離, ボルトの緩み等の点検にも活用でき, シロアリの被害調査だけではなく, 家屋が抱える問題点を様々な点から確認することができる。② 壁内点検器具の導入 ターマトラックは電磁波を応用し, 木材やコンクリートの奥に生息するシロアリを探知する非破壊型調査機器であり, ホーン(検出部)を生息想定箇所に当て,PDA 端末でシロアリの活動を読み取る。木材であれば最大10cm, コンクリートやモルタルで2cm 程度の厚さまで探知が可能。そうすることで, 被害状況や施工範囲を確実に顧客に伝え, 受注率と顧客満足度を高めることができる。③ 地中探査機の導入 従来の予防施工方法は, 床下に進入しての消毒が主流であるが, 床下に進入しての作業には適さない物件がいくつかある。例えば共同住宅は, 半日程度屋内で作業するため, 入居者との時間調整が難しい上に負担がかかる。また, 室内循環型の家屋は床下の空気を家屋中で循環している為, 薬剤散布ができないなどである。これらの物件に関しては上記の課題がある為, 当社として, どのように取り組むかを検討しているが, 対策の一つとして維持管理型ベイト工法という工法がある。これは建物の周囲に疑似餌を入れたステーションを設置し, 定期的に訪問し, 点検するなかで, シロアリの進入がみられた箇所に対し, 薬剤を投与し家屋への進入を阻止する施工方法である。この施工方法を用いることで, 家屋内への薬剤散布をしないので安全, 居住者に対して屋内作業のための時間調整等の負担を無くすなどのメリットが生じる。しかし, この施工を行うためには1点の課題がある。それは外周で穴を掘る作業が発生することである。そのため, 地中の状態を確認しないまま作業を行うと, 地中の配管を突き破る等の問題が発生する可能性が生じる。外周が土壌の場合は, 手掘り作業であるため問題はあまり発生しないが, モルタル仕上げの場合は, コアドリルによって開口する必要があるため作業に対して大きなリスクを負うことになる。現在の対策としては, 家屋周りの図面を確認したり, 周囲に注意しながら作業を行っているが, 図面の確認に時間が掛かったり, 図面と現状が一致しない場合がある。そこで地中探査機が必要となる。この探査機を導入することで, ハウスメーカーからの要望を解決できる上に, 従来積極的に提案出来ていなかった物件に対し, 提案することができる。また, 施工リスクを低減できるため,従来よりも安価で提供する事ができる。更に, 壁内調査機とあわせて正確な調査報告書を作成することで, 同業他社との差別化ができ, 競争力強化へもつながる。④ ハンディタイプのサーモグラフィカメラの導入 シロアリ駆除には巣の位置を特定することが重要であるが, 超音波だけでの診断の際, 周囲の振動で性格に測定できない場合があります。その際にハンディタイプのサーモグラフィカメラを活用し, 周囲との温度差を計測することで, より確実に巣の場所を特定することが可能である。また, 巣の特定のほかにも気密性や断熱性, 雨漏りなども計測することが可能のため,顧客に対してフィードバックできる家屋の診断情報が格段に増える。⑤ 屋根検査用カメラの導入 屋根検査用カメラを導入することで, 通常ならば高所作業となり, 容易に点検が出来ない屋根上を, 地上より点検することができる。シロアリの発生は雨漏りにより拡大することもあり, その原因となる瓦の劣化等を点検時に顧客に対して見えるような形で実施, 報告することができる。そうすることで, ビルダーに代わって, 家屋の状況を床下だけでなく, より細かいところまで確認することができるため, 顧客との関係だけではなく, 元請との信頼関係を築くことができる。地場のビルダーだけでは手が回りづらい部分の情報も併せてフィードバックすることが出来るため, 新たなパートナーシップを築けるため, 新規の顧客獲得が見込める。