ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

しろありNo.164

Termite Journal 2015.7 No.164 27 実験実施時の実験箱内部の様子を図15に, 木材の様子を図16(a), (b)に示す。2週間経過後, 各試験体それぞれのL材とR材の摂食量(FL , FR)の平均値FL_avg,FR_avg, L材とR材の摂食量の和の平均値Fsum_avgを算出する。2週間経過後の木材の一例を図17(a),( b)に示す。材により摂食量に差異があることが確認される。4.2 結果 図18にT0~ T4それぞれのFL_avg, FR_avgの結果を示す。各試験体の生存率の平均値は, T0:77%, T1:84%, T2:85%, T3:82%, T4:80%であった。なお,各試験体におけるFL_avg, FR_avgの差に関して, 対応のある t 検定を用いた。試験体T2およびT4で, スピーカを設置したL材のFL_avgと設置していないR材のFR_avgの間に有意差が認められ, L材に比べR材の摂食活性が低下した。T4における18回全てのFL, FRを比較したところ, 18回中15回でFLよりFRが小かった。図19に,T0~ T4それぞれのFsum_avgの結果を示す。なお, T0のFsum_avgとT1~4それぞれのFsum_avgの差に関し, 対応のない t 検定を用いた。T0とT4のFsum_avgには有意差が認められ, T0に比べT4の摂食活性が低下した。5. 木材へ付加した振動・音響信号の特性と摂食活性の関係 最後に, 木材へ付加した振動・音響信号の周波数特性および量とイエシロアリの摂食量との関係について検討する。 前章では, T4のFR_avgの摂食量が最も少なかった。ここで, T4の場合に, 図13に示すSide-LおよびSide-Rの振動加速度レベルLa,L, La,Rを測定した結果を図20(a)に示す。0.63?1.25kHz帯域でLa,RがLa,Lより大きい。そこで,T4のLa,RをSide-Lに生じさせる振動・音響信号を信号5とした。また, T4のLa,Rのうち, 1.6kHz以下の周波数特性をSide-Lに生じさせる振動・音響信号を信号6とした。実験系は前章と同様とし, 信号5, 6をiPodから出力した試験体をそれぞれT5, T6とする。図 16 実験中の木材の様子,( a)側面,( b)断面図17 実験終了後の木材,( a)側面,( b)断面図18  T0?T4におけるL材とR材の摂食量の平均値FL_avg, FR_avg:ns, Not significant.*, p<0.05. **, p<0.01Block-LBlock-R図19  T0?T4におけるL材とR材の摂食量の和の平均値Fsum_avg:ns, Not significant.***, p<0.001.(a)(a)(b)(b)