しろありNo.165
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14Termite Journal 2016.1 No.1654.2 シロアリの分布 初めは, 採餌虫は蟻道中に分散しつつアリーナの中央に集まっていた。3~5日経過すると, 処理木片設置サイドの蟻道では殆ど採餌行動をせず, アリーナの無処理木片設置サイドへ集まる傾向が認められた(図3)。しかしこの傾向に有意性は無く, 恐らく中央の投入瓶のある箇所と重なる処理木片設置サイド(西)の一部に多数のシロアリがいた為と考えられ, 処理木片に到達していない処理木片設置サイドでは引き続き蟻道構築を行うシロアリがいた。4.3 採餌虫の分布 木片直近でのシロアリ分布は均一では無かった(図3)。処理木片を設置した室内試験アリーナでは, 試験開始後8日間のうち7日間は, 無処理木片に多く集まった。一般的には, シロアリは処理木片に到達後約3~5日で放棄したが, 到達までの時間は反復で異なった。このことは図3に示されている9~14日の間に処理木材への摂食が見かけ上復活している理由を説明している。また, 同じように見える木片の間で明らかな嗜好性の違いが認められた。これは, 無処理アリーナでも認められ, 13日後ではアリーナの西サイドの方が東サイドより有意に摂食が多かった。図3に示すように, 処理区で無処理木片から処理木片に入れ替えると, 初めは処理木片を摂食する傾向がある点は興味深い。反復数が少なくアリーナ間での摂食差があった為, 入れ替え後の両サイドのシロアリ頭数に有意差は認められなかった。4.4 死亡虫の分布 死亡虫はアリーナの両サイドで観察され(図3), 処理材の直近では認められなかった。生存虫は, 死亡虫を隔離し, 死亡虫が堆積した箇所を避けていた。しかしながら, 殆どのシロアリが死亡し死骸を移動できる健全なコロニーメンバーが残っていなくなった実験最終日まで, これらの箇所は処理木片の有無とは関連が無かった。DOTは遅効性薬剤であり, 暴露虫は蟻道内を移動するので, 必ずしも処理木片の近くで死亡しなくても不思議ではない。実際, 試験最終週には最初に無処理木片を設置していたサイドでの死亡虫が有意に多かった。4.5 摂食量 室内試験の無処理区において, 試験開始後2週間及び試験終了までの1週間での木片摂食量は両サイドでの有意差は認められなかった。しかしながら, 処理区では試験開始後2週間は無処理木片を多く摂食し(F = 9.75; df = 1, 4; P =0.0355), 処理木片への摂食は極表面的であった(図5)。試験終了までの1週間に極少量の摂食が認められたが, 両サイドでの有意差は認められなかった(図5)。 野外試験での両サイドの摂食量を比較すると, 試験開始後1週間では東サイドの無処理木片側が西サイド(処理木片側)より有意に多かった(F = 5.06; df = 2, 6; P = 0.0515)(図5)。2週目と3週目では, 両サイドで摂食量に有意差は認められなかった(図5)。処理木片の摂食量は2週目が最も多かったが, 3週目との比較でのみ有意差が認められた(F = 5.70; df = 2, 6; P = 0.0411)。無処理木片の2週目と3週目の摂食量に有意差は認められなかった(図5)。図5 両エリア木片の平均摂食率:室内試験・無処理(A)、  室内試験・処理(B)、野外試験(C)  アルファベット:各期間内での東西サイドの有意義の有無  数字:処理 or 無処理での経時的な有意義の有無

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