しろありNo.165
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23Termite Journal 2016.1 No.165研究発表Presentations at the Research Meeting鹿児島県でのアメリカカンザイシロアリ駆除報告(第2報)有限会社國生シロアリ 國生 哲也廣瀬産業株式会社 廣瀬 博宣1.はじめに 平成26年, 鹿児島県しろあり事業協同組合は, 県内の工場3棟で, アメリカカンザイシロアリ駆除工事を行った。工事内容については, 昨年の全国大会で報告し, 機関紙しろあり163号に投稿した1)。その後, 4回工場を訪れ, 点検と一部再駆除を行った。工場3棟では, 現在, 新たな虫糞の確認は無い。アメリカカンザイシロアリの被害が収束しつつあると判断している。 アメリカカンザイシロアリの駆除は, 再発が多く, 完全に駆除することは困難と言われてきた。しかし, 工場3棟では, 広範囲の被害に関わらず, 被害が低減した。被害低減の要因として, 次の二つが考えられる。1)駆除工事に, エバーウッドムースエアゾールとピペットノズルを組み合わせ使用し, 糞出し孔から薬剤(ムース)を注入することができた。2)被害建物が工場で, 構造材が剥き出しで, 被害部材を目視で確認できた。 今回の駆除現場は, 木造住宅と較べ見え隠れ部分が少ない構造ではあったが, アメリカカンザイシロアリの駆除成功事例として, 駆除工事後の点検と一部再駆除の状況を報告する。また使用薬剤ムースエアゾールについて, 商品の特徴, 使用方法, 使用事例等を示す。2.平成26年の駆除工事 平成26年の駆除工事概要を以下に示す。駆除工事期間:平成26年5月から11月まで施行した建物:3棟1)建物A(写真1,2)  建物構造:木造平屋石蔵造り  建物面積:約400㎡2)建物B(写真3)  建物構造:木造平屋石蔵造り  建物面積:約300㎡3)建物C (写真4)  建物構造:木造平屋石蔵造り  建物面積:約100㎡写真1 建物Aの小屋組み構造写真2 建物Aの床に落下した虫糞写真3 建物Bの床に落下した虫糞

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